フェラーリは、2025年第3四半期(7-9月期)の決算を発表した。
売上高は17億6600万ユーロとなり、前年同期比7.4%増加した。出荷台数は3401台で前年同期とほぼ横ばいだった。
営業利益(EBIT)は5億300万ユーロで前年同期比7.6%増加し、営業利益率は28.4%となった。EBITDAは6億7000万ユーロで5.0%増加し、EBITDA率は37.9%を記録した。
純利益は3億8200万ユーロ、希薄化後1株当たり利益は2.14ユーロとなった。産業フリーキャッシュフローは3億6500万ユーロを創出した。
地域別では、EMEA(欧州・中東・アフリカ)が23台増、米州が25台減、中国本土・香港・台湾が33台減、その他アジア太平洋が53台増となった。
車種別では、『296 GTS』、『プロサングエ』、『12チリンドリ』ファミリー、『ローマスパイダー』が出荷を牽引した。『SF90 XX』ファミリーの貢献が増加した一方、『296 GTB』はライフサイクル終了に近づき、『SF90スパイダー』は第3四半期で段階的廃止となった。
売上高の内訳では、車両・スペアパーツ部門が14億7900万ユーロで5.6%増加した。これは製品ミックスの向上とパーソナライゼーションの増加によるものだ。スポンサーシップ・商業・ブランド部門は2億1100万ユーロで21.0%増加した。
ベネデット・ビーニャCEOは「我々は確信を持って発展の道筋を歩み続けている。ブランドの長期的利益を考慮した明確な軌道を定義し、2030年に向けた持続可能な成長の基盤を設定した」とコメントした。
フェラーリは、製品ミックスとパーソナライゼーションの強化、下半期の産業コスト低下、収益性向上によるフリーキャッシュフロー増加を理由に、2025年通期ガイダンスを上方修正した。
第3四半期のハイライトとして、9月9日に新型スポーツカー『849テスタロッサ』と『849テスタロッサスパイダー』を発表した。これらは『SF90ストラダーレ』と『SF90スパイダー』の後継車種で、3つの電気モーターと中央後部ツインターボV8エンジンを搭載し、総出力1050hpを発揮する。
10月9日には、同社初の完全電気自動車の量産準備完了シャシーとコンポーネントを公開し、2030年戦略計画と収益目標を発表した。






