ブレーキパッドは何mmまでOK? 街乗りとサーキットで変わる摩耗基準~カスタムHOW TO~

ブレーキパッドは何mmまでOK? 街乗りとサーキットで変わる摩耗基準~カスタムHOW TO~
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ブレーキパッドはどこまで使って良いのだろうか。一般的には残り数mmまで使って良いとされているが、それは街乗りに限った話だ。

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スポーツ走行でサーキットを走ったりワインディングを走ったりするのであれば、その管理は危険だ。パッドは減るほどパフォーマンスが下がるので、ある程度のところで見極めて交換したい。

◆街乗りとサーキットで異なる摩耗の考え方

ブレーキパッドはローターと摩擦することで制動力を発生させている。そのときにパッドも減り、ローターも摩耗していく。一般的にはパッドの方が先に摩耗し交換することになる。普通に街乗りをしている分には、3mm程度までは使っても構わない。そのあたりでパッドを交換しておきたい。しかしサーキット走行をするとなると、話は変わってくる。

◆サーキットは高温領域:対応温度と摩耗リスク

サーキット走行では、ブレーキパッドは非常に高温になる。ローター温度と呼ばれる、パッドと接しているローターの温度は普段乗りでは100~200度だ。峠道でも300度程度がよいところだが、サーキット走行となると600~700度にもなりかねない。ツインリンクもてぎのようなブレーキに厳しいコースの場合は、700度以上になってしまうことさえある。そうなるとブレーキパッドには多大な負荷がかかる。

ブレーキパッドは樹脂や繊維がメインで作られ、スポーツパッドではそれらに金属成分が加わる。金属成分が増えるほど、高温に対応しやすくなる。摩擦材の成分によって対応温度が変わり、ストリート寄りのパッドであれば0~500度程度まで対応できるものもある。サーキット専用モデルになると、ローター対応温度の下限が200~300度のものもあり、低温では使えない代わりに600~700度に対応できる。

この対応温度を逸脱すると、ブレーキパッドは異常摩耗を起こす。例えば、500度対応のパッドで600度超になると、効きが甘くなり同時にパッドはぐんぐん減る。逆にサーキット向けで200度以上で使えるパッドを街乗りで使うと、これもまたあっという間に摩耗してしまう。

◆交換タイミングの基準とコストを抑える運用

サーキット走行では、対応温度より高温になり、いつの間にか摩耗してしまうことがある。パッドによっては、対応温度を逸脱しても効きは何とか保つが、パッド自体が異常に摩耗する場合もある。こうしたリスクを考えると、サーキット走行をするなら新品から半分の厚みになったら交換したい。早めに感じるかもしれないが、ブレーキパッドは薄くなるほどそのパフォーマンスが低下するという特徴があるため、早めの交換をおすすめする。

ブレーキパッドが薄くなるほど、体積が小さくなる。同じブレーキ操作で同じ熱が発生しても、体積が小さいほどパッドの温度は上がりやすい。温度が上がるほど減りやすくなるため、サーキットで使っていて半分を切ってからは、体感で2倍以上の速さで減ることもある。だからこそ早めの交換がおすすめなのだ。ただし、コストがかかるのも事実だ。そこで、普段乗りではやや薄くなったパッドを使い、サーキットでは残量のあるパッドを使うという手もある。

また、同じ車種に乗る友人と薄くなってしまったパッドを交換し合い、それぞれのパッドのフィーリングを味見する方法も有効だ。ブレーキパッドは数万円と高価で、実際に買ってから馴染まないこともある。同じ車種の友人がいれば、自分の薄くなったパッドと友人の薄くなったパッドを交換して街乗りで効きを体感し、良さそうならそのパッドを新品で購入する。これがコストを抑えつつ最適解に近づく運用方法だ。

《加茂新》

加茂新

加茂新|チューニングカーライター チューニング雑誌を編集長含め丸15年製作して独立。その間、乗り継いたチューニングカーは、AE86(現在所有)/180SX/S15/SCP10/86前期/86後期/GR86(現在所有)/ZC33S(現在所有)。自分のカラダやフィーリング、使う用途に合わせてチューニングすることで、もっと乗りやすく楽しくなるカーライフの世界を紹介。

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