米国のトヨタ・リサーチ・インスティテュート(TRI)は9月16日、行動科学に基づく介入手法が電気自動車(EV)の充電習慣を大幅に改善し、二酸化炭素排出量削減に貢献することを示す新たな研究成果を発表した。
米国と日本で実施された研究では、TRIの人間中心人工知能(HCAI)部門が開発したプロトタイプアプリ「チャージマインダー」をテストした。このアプリは行動科学の知見を取り入れ、EV充電行動の改善を図るものである。
主な研究成果として、米国ではプラグインハイブリッド車(PHEV)ドライバーの充電量が10%増加した。日本では、PHEVとバッテリー電気自動車(BEV)のドライバーが再生可能エネルギーのピーク時間帯への充電シフトを59%増加させ、1台当たり1日約30分の昼間充電時間を追加した。
さらに、米国のPHEVドライバーの車両満足度が16ポイント向上し、100%に達した。
チャージマインダーは、適切なタイミングでのリマインダー配信、連続記録や励ましメッセージ、記憶科学を活用した教育クイズの提供などの機能を持つ。これらの機能は、行動科学研究で実証された十数種類の介入手法を統合したものである。
TRIとトヨタのカーボンニュートラルセンターは今後、個人に最適化されたデータ主導型介入に焦点を当てたチャージマインダー研究を拡張し、トヨタの世界的なカーボンニュートラル戦略との整合性をさらに高める計画だ。