三菱ケミカルの子会社、MUアイオニックソリューションズ(MUIS)は、中国の電池大手CATLとリチウムイオン二次電池(LIB)の関連特許についてライセンス契約を締結したと発表した。
MUISは三菱ケミカルが80%、UBEが20%出資する合弁会社で、リチウムイオン電池用電解液の開発・製造・販売を手がけている。同社は正極材と電解液の界面作用に着目した研究を進め、「ジフルオロリン酸塩による正極界面制御技術(MP1 Technology)」を開発。この技術に関連する多数の特許を保有している。
今回の契約締結により、MUISはこの先進技術をCATLにライセンス供与することになる。CATLは2011年設立の中国企業で、新エネルギー分野における世界的リーダーとして知られている。
このライセンス契約は、電気自動車(EV)市場の拡大を背景に大きな意味を持つ。MP1 Technologyの採用拡大により、電気自動車をはじめとする電動車(xEV)の普及加速に貢献することが期待されている。
日本の電池関連技術が世界最大級の電池メーカーに採用されることで、グローバルな電動化の流れがさらに加速する可能性がある。自動車産業の電動化が進む中、こうした技術提携は今後も増加していくと見られている。