ランチアは、9月にイタリアで開催される第4回「フェスティバルカー・コンコルソ・デレガンツァ」のポスターに、1960年製ランチア『フラミニア・ロレイモ』が選ばれたと発表した。
この車は、アメリカの工業デザイナー、レイモンド・ローウィが手がけた『フラミニア・クーペ』のプロトタイプだ。
1960年にフラミニア・クーペのリモデルとして1台だけ生産されたフラミニア・ロレイモは、コカ・コーラの象徴的なガラス瓶やラッキーストライクのパッケージをデザインしたことで有名な工業デザイナー、レイモンド・ローウィによって作られた。

フランス生まれのアメリカ人であるローウィは、このクルマを個人用にデザインし、トリノを拠点とするコーチビルダー、ロッコ・モットに作らせた。ロッコ・モットは特にアルミニウムに長けており、一方、メカニックはナルディによってチューニングされ、2.5リットルV6エンジンは119hpから約150hpに引き上げられた。
デザイナーはその仕上がりに満足し、1960年のパリモーターショーに出品することを決めた。 ロレイモとは、デザイナーの苗字と名前(LOEwy RAYMOnd)の頭文字をとったもので、彼のアトリエの電信アドレスでもあった。
フェスティバルカー・コンコルソ・デレガンツァは、トリノ近郊の美しい村レヴィリアスコ・トリネーゼで開催される。国際自動車連盟(FIVA)の公式カレンダーにも登録された、クラシックカー愛好家にとって見逃せないイベントとなっている。

ランチアは、この機会を利用して自社の歴史と未来を結びつけようとしている。トリノのミラフィオーリ工業地区にあるヘリテージハブでは、300台以上のクラシックカーが展示されている。中でも注目できるのが「ラリー時代」のセクションだ。ここでは、『フルビアHF』、『ストラトス』、『037』、『デルタ・インテグラーレ』など、ランチアの黄金期を支えた伝説のラリーカーを間近で見ることができる。
さらに、ランチアはモータースポーツ界への復帰も果たす。新型『イプシロンRally4 HF』で、ラリー競技に再挑戦するのだ。4月11日から13日にかけて開催されるピエモンテ地方ラリーでは、ランチア・コルセHFビレッジが設置され、新型『イプシロン』の試乗も可能だという。
フェスティバルカー2025は、9月26日から28日にかけて開催される。モンカリエーリ城の見学、ステランティス・ヘリテージハブのツアー、ビコフォルテの聖域訪問など、盛りだくさんのプログラムが用意されている。最終日には、レヴィリアスコ・トリネーゼの歴史的中心地でクラシックカーのパレードも行われる予定だ。
