「真のドライバーのために」アストンマーティン ヴァンテージ 新型、日本初公開 

アストンマーティン ヴァンテージ 新型
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  • アストンマーティン・リージョナルプレジデント 日本/韓国のグレゴリー・K・アダムス氏
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イギリスはシルバーストーンサーキットにおいて現地時間2月12日にお披露目された新型アストンマーティン 『ヴァンテージ』が13日、日本でも公開された。価格は2690万円で、日本でのデリバリーは今年第2四半期以降を予定している。

◆真のドライバーのために設計されたスポーツカー

このクルマのキャッチフレーズは、“For Real Drivers Only”。「ヴァンテージは限界の限界まで走りを楽しみたい真のドライバーのために設計されたスポーツカーだ」と紹介するのはアストンマーティン・リージョナルプレジデント 日本/韓国のグレゴリー・K・アダムス氏だ。

アストンマーティン・リージョナルプレジデント 日本/韓国のグレゴリー・K・アダムス氏アストンマーティン・リージョナルプレジデント 日本/韓国のグレゴリー・K・アダムス氏

ヴァンテージの歴史を振り返ると、1950年代の『DB2』にまでさかのぼる。このヴァンテージという名称は、強化されたエンジンを搭載したバージョンという意味で使われており、DB2の場合はラゴンダ製2.6リットルエンジンに大径SU HV6キャブレターと、8.16:1という高い圧縮比が組み合わされていた。これらにより、最高出力は標準のDB2の約105bhpから大幅に引き上げられ、125bhp/5,000rpmに達していた。それ以降1970年代にはモデル名として「V8ヴァンテージ」などが登場。その名称はアストンマーティンのモデルラインアップ上で重要な役割を担うようになっていったのである。

◆エンジン性能をさらに向上

新型ヴァンテージ発表に際し、一部メディア向けのセッションではレーサーの坂本祐也・安岡秀徒両選手が登壇し、ヴァンテージの説明が行われた。

坂本祐也選手(左)と安岡秀徒選手(右)坂本祐也選手(左)と安岡秀徒選手(右)

ヴァンテージのパフォーマンスは、4リットルV型8気筒ツインターボエンジンを搭載し、最高速度325km/h、最高出力は665ps、最大トルクは800Nmを誇り、0-100km/h加速は3.5秒という数字を記録。この点について坂本選手は、「これまでのヴァンテージよりも格段にパワー、トルクともにアップ(先代比それぞれ30%と15%)している。しかしクルマはエンジンパワーアップだけでは走らない。それに伴ったシャシーバランス、足回りも手が加えられている」と説明。因みに駆動方式はFRで50対50の前後重量バランスを実現。

カムプロファイルの変更、圧縮比の最適化、そしてタービンの大径化、冷却の強化など広範囲にわたるチューニングを行うことで、高出力化を達成。同時にエンジン性能をさらに向上させるために、低温ラジエーターをインタークーラーの冷却回路に取り付けたほか、既存のメインラジエーターに補助クーラーを2機追加するなどで広範囲にわたるアップグレードを実施。さらに補助外部オイルクーラーの表面積を従来の2倍に拡大し、ラジエーターに達する冷気量を増加させ、熱エアフローも強化している。

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またタイヤはヴァンデージ専用開発のAMLコードが付いたミシュラン「パイロットスポーツ5s」で、フロントは275/35R21、リアは325/30R21 を装着。21インチ鍛造アロイホイールと組み合わされることで、ステアリングレスポンスとフロントエンドグリップがさらに向上。さらに、「フロントブレーキローターが400mmへ拡大している」(坂本選手)。

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◆ハイパフォーマンスを引き出すデザイン変更

デザインは、バンパー、フロントグリル、サイドベントなどが変更された。ボディは30mm拡幅されるとともに、新しいデザインにより、高速走行時の安定性や冷却性能の向上に貢献している。その点について安岡選手は、「エンジンがパワーアップしており、それを受け止めるためにワイドトレッド化や、冷却性能を高めるための数多くのエアインレットが見える。そういったことを含めて総合的にハイパフォーマンスを引き出すため」とコメント。

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そして、真のドライバーのために作られたクルマだというメッセージはドライブモードに表れている。従来のドライブモードは、スポーツ・スポーツプラス・トラックの3つだったが、そこに加えてインディビジュアルとウェットモードが追加された。操作はセンターコンソールのロータリースイッチで行い、センターディスプレイに選択されているドライブモードが表示される。インディビジュアルモードはタッチスクリーンからカスタマイズすることが可能で、シャシーコントロール、ステアリング、エンジン、エキゾーストを好みの組み合わせで設定することができるものだ。

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また、ヴァンテージ初のローンチコントロールシステムも採用。パワートレイン、トランスミッション、エレクトリックスタビリティプログラム一体で制御するローンチコントロールにより、スリップコントロール、エンジントルク制御を利用してホイールスリップを最適な範囲に維持し、最大限のトルクを車両にかけることができるようになった。

坂本選手は、「このハイパワーなクルマでホイールスピンを極力少なく、鋭いダッシュができる緻密なコントロールだ。結果としてよりドライビングを楽しめ、それをクルマがうまくコントロールしてくれる仕上がり」と解説した。

安岡選手は、「6軸加速度計(6D-IMU)の搭載により、クルマの全ての動きを感知できるようになったことで、より細やかな制御がドライバーに感じさせることなく作動。結果として後ろからそっとクルマが支えているような、サポートしてくれる制御になった。ちょっとドライバーが遊びたいなといったときもさりげなくカバーできるような制御になっている」と語っていた。

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《内田俊一》

内田俊一

内田俊一(うちだしゅんいち) 日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を活かしデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。また、クラシックカーの分野も得意としている。保有車は車検切れのルノー25バカラとルノー10。

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