ADAS/ADは良好な視界から、加湿器の原理で雨滴を飛ばす村田製作所のカメラ…オートモーティブワールド2024

村田製作所の水滴が霧になるデモ(オートモーティブワールド2024)
  • 村田製作所の水滴が霧になるデモ(オートモーティブワールド2024)
  • 低ESLの積層セラミックコンデンサー。小型薄型が特徴
  • 写真ではわからないが、水滴が白く霧状になっている
  • 原理は超音波加湿器と同じ
  • 雨滴除去デバイスがついたカメラのデモ
  • 雨滴除去デバイス一体型カメラ
  • 氷や泥にもある程度の効果がある
  • デバイス効果の比較。右のほうが水滴のにじみが少ない

村田製作所はコンデンサーから半導体まで多数の電子部品を手掛けるメーカーだ。オートモーティブワールド2024では車両向け電子部品を中心に展示を行っていた。

同社の積層セラミックコンデンサー(MLCC)は、デジタル化が進む電子回路において、基板上のチップや回路の電源を安定させるため、ノイズを除去するために欠かせない存在となっている。

コネクテッドカーやADAS機能が広がる自動車領域においても、半導体技術以上にチップ抵抗・チップコンデンサのような電子部品の重要性が高まっている。ブースでも同社世界最薄を謳う積層セラミックコンデンサーのサンプルが展示されていた。厚さ0.18mmと写真を撮るのも難しいほどのサイズで、低ESL(高い周波数でもインピーダンスが上がらない安定・良好な特性)を実現している。薄型でも必要な静電容量と周波数特性を出すため、電極の長さを伸ばし・間隔を狭める構造を持つ。

このコンデンサーは2023年9月から量産が開始されており、ECU等の小型化・高機能化に対応する。

低ESLの積層セラミックコンデンサー。小型薄型が特徴

だが、同様な設計思想のコンデンサは他社も作っている。その中で、開発中という超音波式雨滴除去デバイスとそれを組み込んだカメラユニットを発見した。

一般的なバックモニターで、水滴がついて見えにくくなった経験があるだろう。ウィンドウの内側に設置するカメラもウィンドウ自体につく水滴や油膜の問題はあるが、外部設置型のカメラはワイパーなどの対応ができない。このカメラユニットは、特殊なセラミック振動子を内蔵し、レンズの表面を細かく振動させる。振動で水滴を落とすのではなく超音波で微細な粒子=霧にして発散。超音波加湿器と同じ原理と考えればよい。


《中尾真二》

テクノロジージャーナリスト・ライター  中尾真二

アスキー(現KADOKAWA)、オライリー・ジャパンの技術書籍の企画・編集を経て独立。現在はWebメディアを中心に取材・執筆活動を展開。インターネットは、商用解放される前の学術ネットワークの時代から利用し、ネットワーク、プログラミング、セキュリティについては企業研修講師もこなす。エレクトロニクス、コンピュータのバックグラウンドを活かし、自動車業界についてもテクノロジーを中心に取材活動を行う。

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