クルマ用のサウンドアイテムをDIYにて取り付けてみたいと考えているドライバー諸氏に向けて、そのコツをさまざま紹介している当コーナー。現在は、「サブウーファーボックス」の製作における勘どころを解説している。
前回は“気密性”を上げるためのコツとして、ケーブルを通す穴の開け方やその後処理の仕方を説明した。それに引き続いて今回は、ボックス全体の“気密性”を高める方法について解説する。
さて、繰り返しにはなるが「サブウーファーボックス」には“強度”と“気密性”が求められる。この2つが不足すると狙ったとおりのサウンドを奏でにくくなるばかりか、最悪、むしろ「サブウーファーボックス」がノイズ源になることもある。
なのでボックスを組み上げた後には、“気密性”を高めるための方策が講じられることもある。
で、具体的にはどのような策が取られるのかというと……。
スタンダードなのは、板の接合部分に内側から「コーキング材」とか「シーリング材」と呼ばれる部材を流し込む、という作戦だ。これら部材はまさしく製作物のすき間を埋めるためのもので、それを接合部に流し込めば万が一微細なすき間ができていたとしてもそれを埋められる。
しかしながら実をいうと、それ以上に有効な策がある。それは、「正確に木材を切り出すこと」だ。それが完ぺきにできていれば、すき間を埋める作業はやらなくて良い。設計図どおりに木材をカットできていれば、組み上げたときにすき間はできない。
というわけなので、高性能な「サブウーファーボックス」を作るには木材を正確にカットできるか否かが、とにもかくにも重要となる。
なお木材を正確にカットするためには、高性能な道具を持ち合わせているかどうかもポイントとなる。なので「カーオーディオ・プロショップ」では、木材を真っ直ぐに切り出すための専用設備を導入している。しかしDIYでは高額な設備を用意するのが難しい。
ちなみに「ジグソー」と呼ばれる比較的に導入のハードルが低い電動ハンドツールでも、板を真っ直ぐに切断可能だ。しかしハンドメイダーにおすすめなのはズバリ、「ホームセンターでカットしてもらうこと」だ。木材のカットまでを行ってくれる販売店は多くある。そのサービスを利用すると、高性能な「サブウーファーボックス」を作りやすくなる。
ところで、徹底的に“気密性”を上げようとするときには、ボックスの内部に樹脂が流し込まれることもある。そうすれば“気密性”が高まるばかりか“強度”も上がる。このような策があることも、覚えておいて損はない。
今回は以上だ。次回は「サブウーファーボックス」の見た目を上げるためのテクニックを紹介する。お楽しみに。