水素のサプライチェーン構築に取り組むコベルコ、鉄鋼やアルミなどの素材技術も紹介…人とくるまのテクノロジー展2023名古屋

KOBELCOグループブース(人とくるまのテクノロジー展2023名古屋)
  • KOBELCOグループブース(人とくるまのテクノロジー展2023名古屋)
  • 2023年3月より実証実験中の「ハイブリッド型水素ガス供給システム」
  • ハイブリッドで水素ガスを発生させている様子(「ハイブリッド型水素ガス供給システム」)
  • 再エネで発生させた電力から水素ガスを発生させている様子(「ハイブリッド型水素ガス供給システム」)
  • KOBELCOがクルマと関わる様々なソリューションを実物大のモックアップで紹介した
  • KOBELCOは、AピラーのハイテンからBピラーのサイドシル、シートフレームに至るまでを素材で支える
  • アキシャルギャップモータは、一般的な巻線を使うラジアルギャップモータに比べて大幅な薄型化ができる
  • 巻線の代わりに使われる圧粉コア

コベルコ(KOBELCO)グループは愛知県国際展示場(Aichi Sky Expo)にて開催された「人とくるまのテクノロジー展2023名古屋」に出展し、「カーボンニュートラルへの取組み」をはじめとする同社の様々な製品・技術を展示した。

グリーン水素のサプライチェーン構築を目指す

まず2050年に向けた「カーボンニュートラルへの取組み」として同社が積極的に取り組んでいるのが、「ハイブリッド型水素ガス供給システム」だ。これは液体水素の活用に加え、再生可能エネルギーを活用した「水電解式水素発生装置(HHOG)」などと組み合わせたもので、安価で大量のグリーン水素のサプライチェーン構築を目指すことを目的とする。

このシステムでは、自動車への供給というよりは産業用での熱利用に水素を活用することを重視しており、具体的にはLNGボイラーを水素利用に替えることを推進。その水素の提供元としてコベルコが提供するシステムを活用する。これにより産業全体でのカーボンニュートラルの実現に取り組んでいく。

具体的には、まず太陽光など再生可能エネルギーで発生した電力を電気炉や工場などで活用し、一方でHHOGによって水素を発生させてボイラーや加熱炉などで利用する。そして、条件が悪くなって電力を発生できなくなると、液体水素をコベルコ製「中間媒体式液体水素気化器」を使って水素を発生させる。さらに蓄電池に電力が残っている場合は、液体水素を気化した水素と組み合わせる“ハイブリッドシステム”として運用する。

ハイブリッドで水素ガスを発生させている様子

会場では水素を提供するプロセスが一目で分かるよう模型を使って説明。スイッチ一つでその流れを理解できるようになっていた。

実物大のモックアップで素材を活用したソリューションを提案

コベルコは大手鉄鋼メーカーの中で自動車用部品を積極的に手掛けることでも知られる。その中で同社が注力しているのが自動車向け高張力鋼板(ハイテン)やアルミパネル材、サスペンション用アルミ鍛造部品などで、会場ではそれを使った実物大のモックアップを展示した。


《会田肇》

編集部おすすめのニュース

特集