ドイツの大手自動車部品メーカーであるシェフラーは、5月24日から3日間、パシフィコ横浜で開催された「人とくるまのテクノロジー展2023 YOKOHAMA」に出展した。同社の展示の中から、今回は水素関連のテクノロジーを取り上げる。
燃料電池では、各セルがバイポーラ構造でスタックに収められているが、その際の各セルの仕切りとなるのがセパレーター(バイポーラプレート)だ。シェフラーはこの部品を手掛けている。
シェフラーの技術を活かした水素への取り組み
シェフラーは金属加工部品を得意とするサプライヤーだが、このセパレーターにも同社の金属加工技術が活かされている。
セパレーターは燃料電池内の水素と酸素の適切な流れを制御するコア部品だ。燃料電池内に適切に水素と酸素を供給するため、セパレーター上の微細な溝を精密に成形する技術が求められる。
「材料を高価なイリジウムから、同社ではSUS(ステンレス鋼)にコーティングを施すことで代替し、コストダウンを実現しています。またスプリングバックを抑えて精度を維持する技術を活用。同時に、部品の接合面に施されたシーリングを一体成型することで、信頼性を高めています」と担当者は説明する。

シェフラーの金属加工技術が活かされたこのセパレーターについては、ビジネス面の取り組みも進んでいる。