トヨタ車体が植物材料である「TABWD(タブウッド)」をブース全体で紹介する出展を行った、「人とクルマのテクノロジー展」。新素材の特徴と用途を取材してきた。

トヨタ車体が開発した「TABWD(タブウッド)」はバイオプラスチックに木を加えた植物材料で、カーボンニュートラルに貢献する新材料として自動車業界のみならず、各方面から注目を集めているエコ素材なのだ。これまでにもガラス繊維を混ぜ込むなど、プラスチックはさまざまな進化を遂げてきたのだが、そんな中で木を混ぜ込むことになったのには理由がある。
そのひとつが“軽量化”だった。木は強度と軽量を兼ね備えた素材でもある。そのため軽くて強いパーツを作るにはプラスチックに木を混ぜ込むのは有効な手法だったのだ。実際にクルマのパーツとして実用化されているものでは、従来のプラスチック製パーツに比べて20%の軽量化を果たしたというデータもある。

さらに木は熱にも強く安定しているという特性を備えている点もクルマのパーツに用いるのに適していて、素材としてマイナス200度~200度程度までの温度に対して安定している。プラスチックだけでは燃えてしまうような高熱に晒される部品に対してタブウッドを使うメリットが大いにあるというのだ。