G7広島サミット閉幕、ウクライナ支援で日本も自衛隊車両100台提供へ[新聞ウォッチ]

ゼレンスキー大統領(ウクライナ)と岸田首相(日本、5月21日)
  • ゼレンスキー大統領(ウクライナ)と岸田首相(日本、5月21日)

被爆地の広島市で開かれていた先進7か国首脳会議G7サミット)が閉幕。ウクライナのゼレンスキー大統領が開催中に日本を電撃訪問し、最終日の討議に参加するなどのサプライズもみられた。

きょうの各紙も全紙が1面トップや総合面、社説などで報じるなど、広島サミット関連の話題が目白押し。そのタイトルをみると、読売は「G7・ウクライナ結束、支援と対露制裁継続」。毎日も「国際秩序守り抜く、新興国と連携」。産経、日経も同様に岸田首相による議長国会見の様子を中心に報じている。

◆G7はウクライナ支援

朝日は「『戦争なくさねば』」とのタイトルで、日本を訪問したゼレンスキー大統領が広島市での記者会見で、「人類の歴史から戦争をなくさなればならない」と訴えたことなどを伝えている。

このほか、東京は「核なき世界『追求』抑止力『強化』、相反するメッセージ発信」との見出しで、「議論の結果は、平和外交より、軍事力を強化し抑止力を高めて脅威に対抗しようという意識が突出しているようにも見える」などと指摘する。

その軍事力の支援といえば、岸田首相が、ゼレンスキー大統領との会談で、100台規模のトラックなどの自衛隊車両や、自衛隊員が訓練や災害派遣で食べる携行食「非常用糧食」約3万食を提供すると表明。G7としてあらゆる側面から支援を継続する方針を確認したことも伝えたという。

◆温室効果ガス排出削減に苦しい日本の事情

また、G7の討議では、ウクライナへの軍事力の強化以外にも、気候変動やエネルギー問題も大きなテーマとなっていたようだが、毎日によると、「天然ガスを含む全化石燃料を段階的に廃止することに初めて合意はしたものの、今回のサミットで地球温暖化問題の優先度が高かったとは言えず、温室効果ガス排出削減で大きな前進はなかった」とも取り上げている。石炭火力の全廃時期は、日本の強い反対で明記が見送られたそうだが、日本の苦しい事情をうかがえるような話題に言及する紙面はほとんど見当たらない。

2023年5月22日付

●サミット閉幕、G7・ウクライナ結束、支援と対ロ制裁継続(読売・1面)

●内閣支持上昇56%。生成AI「規制必要」86%本社世論調査(読売・1面)

●自衛隊車100台規模提供、日ウクライナ首脳会談(読売・2面)

●分断解消G7に宿題、気候変動優先度低く、「石炭」「ガス」日独が難色(毎日・2面)

●自動運転「レベル4」出発進行、福井、7人乗り3台運行(産経・20面)

●こちら特報部=広告? 記事? 自社メディア活況、ユニクロもトヨタも、自画自賛でも「売り」に(東京・21面)

●今治造船、液化CO2輸送船、三菱造船と27年にも竣工(日経・7面)

《福田俊之》

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