復旧費86億円の米坂線に吉村山形県知事がコメント…「一日も早い復旧が求められます」

米坂線で旧型気動車のキハ52が運用されていた頃の今泉駅。2004年7月。
  • 米坂線で旧型気動車のキハ52が運用されていた頃の今泉駅。2004年7月。
  • 米坂線と並行する国道113号線のバイパスとして計画されている新潟山形南部連絡道路の概要。山形県側の「赤湯バイパス」と新潟県側の「荒川道路」は開通済みで、「梨郷道路」は2023年度中に開通。「小国道路」と「鷹ノ巣道路」は事業化されているが、その他の区間についても、小国~飯豊間が概略ルート・構造の検討に着手される。
  • 山形鉄道フラワー長井線。

山形県の吉村美栄子知事は4月25日、米坂線今泉~坂町間の復旧についてコメントを公表した。

同区間は2022年8月の豪雨以来、不通となっているが、JR東日本新潟支社は4月25日に復旧までに5年、工事費用に約86億円が見込まれると発表。単独での復旧に難色を示している。

吉村知事のコメントはこれを受けたもので、「沿線地域にとって、通学・通勤などの地域の生活を支える不可欠な交通機関であるとともに、山形県と新潟県の広域的な観光・交流ネットワークを形成する重要な路線であり、一日も早い復旧が求められます」と述べた上で、今後はJR東日本からの説明を受けて、関係自治体と連携して復旧へ向けて取り組む姿勢を示しており、新潟県の花角英世知事もJRによる復旧を要望している。

米坂線は、山形県と新潟県をショートカットする路線として1936年8月に米沢~坂町間が全通。かつては仙台、山形と新潟を結ぶ急行が運行されたこともあった。

しかし、JR東日本が公表している2021年度の線区別収支によると、輸送密度は今泉~小国間が226人/日、小国~坂町間が124人/日と、JR東日本発足時の20~30%程度に留まっており、利用者の減少が続いている。

並行道路としては国道113号線があるが、米坂線同様に狭隘な山岳地域を走るだけに自然災害が多く、国土交通省ではそのバイパスとして、新潟山形南部連絡道路の一部となる小国(おぐに)~飯豊(いいで)間の概略ルート・構造の検討に着手するとしており、米坂線にまつわる今後の議論や検討において、並行道路の整備の行方も気になるところだ。

米坂線と並行する国道113号線のバイパスとして計画されている新潟山形南部連絡道路の概要。山形県側の「赤湯バイパス」と新潟県側の「荒川道路」は開通済みで、「梨郷道路」は2023年度中に開通。「小国道路」と「鷹ノ巣道路」は事業化されているが、その他の区間についても、小国~飯豊間が概略ルート・構造の検討に着手される。米坂線と並行する国道113号線のバイパスとして計画されている新潟山形南部連絡道路の概要。山形県側の「赤湯バイパス」と新潟県側の「荒川道路」は開通済みで、「梨郷道路」は2023年度中に開通。「小国道路」と「鷹ノ巣道路」は事業化されているが、その他の区間についても、小国~飯豊間が概略ルート・構造の検討に着手される。

一方、現在運行されている米沢~今泉間については、山形県長井市の内谷重治市長は2022年11月に長井市が株主となっている山形鉄道がJR東日本の受託を受けて運行を目指すことを明らかにしている。

山形鉄道フラワー長井線。山形鉄道フラワー長井線。
《佐藤正樹(キハユニ工房)》

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