日本電気硝子は、「オール結晶化ガラス全固体ナトリウムイオン二次電池」を、二次電池展2023で公開した。これは、東京理科大学、長岡技術大学、産業技術総合研究所(産総研)との共同開発によるもので、全個体電池の実用化の姿が見えはじめた。
全個体電池は、正負極のみならず電解質も固体とすることで電極と電解質の接触が安定的に広範囲に及ぶことから、高性能化や小型化が期待されている。一方、すべてが固体物質で構成されるため、微細的には、本当に固体の電極と電解質が密着できているのかという不透明な面があった。
また、微小な物質とはいえイオンが電極間を行き来するため、満充電や放電し切ったときには片方の電極にイオンがすべて集中することになり、体積が増加する。そうした体積の増減に対し電池ケースが対処できるかといった課題も指摘されている。この課題が解決されなければ、満充電満放電はできなくなり、つまり電気自動車(EV)ではなくハイブリッド車(HV)などにしか適応できないことになりかねない。