日産出身で日本電産前社長の関潤氏、次は台湾の鴻海でEV戦略責任者[新聞ウォッチ]

台湾、台北のホンハイ本社。FOXCONNブランドで事業を展開
  • 台湾、台北のホンハイ本社。FOXCONNブランドで事業を展開
  • 日本電産前社長の関潤氏

「捨てる神あれば、拾う神あり」とでもいうのだろうか。日産自動車出身で日本電産の社長を昨年9月に退任した関潤氏が、2月1日付で台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業が新規参入した電気自動車(EV)事業の最高戦略責任者(CSO)に就任したという。

きょう日経などが報じているが、鴻海はシャープの親会社で、電子機器受託製造サービス(EMS)から事業多角化を目指しており、自動車産業での豊富な経験を持つ関氏を招いてEV事業の体制強化を図る狙いのようだ。そのEV事業は2025年をめどに、年間売上高1兆台湾ドル(約4兆3000億円)、世界シェア5%の獲得を目指すという。

関氏といえば、防衛大を卒業後、日産に入社。生産技術畑を中心に歩み、中国事業の統括責任者などを歴任した。ゴーン事件などで混乱した経営体制を立て直すため、一時は社長候補として取り沙汰されたが、後輩格の内田誠氏が就任したことから日産を去ることを決意。

その後、後継問題で悩む日本電産の永守重信会長から三顧の礼で招かれ、社長に就任。21年には最高経営責任者(CEO)となったが、車載事業などの業績悪化の責任をとって辞任した。それからわずか4か月ほどで、鴻海でEV事業の最高責任者として携わることになったが、日経のタイトルにもあるように「新天地は日本電産納入先」。日本電産の主力のモーターはEVの基幹部品。そこで開発や生産ノウハウに携わった関氏が「今後、サプライヤーとなる日本電産とどう向き合うのかに注目が集まっている」とも伝えている。

今の時代は終身雇用が馴染まなくなったが、関氏の場合は、キャリアをフルに生かしたいわゆるヘッドハンティングによる“渡り鳥人生”を地で行く典型的なケースとしても注目だ。

2023年2月1日付

●社説・電動スケーター、免許不要で安全は大丈夫か(読売・3面)

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《福田俊之》

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