JR東海は12月20日、東海道新幹線・豊橋~三河安城間の下り線(愛知県安城市古井町内)で発生した架線断線事故の概要を明らかにした。
この事故は12月18日12時58分に発生。豊橋~名古屋間の上下線が停電により運行を見合わせ、13時22分に上り線の運行を再開したものの、現地確認の結果、下り線で車両に電力を供給する「トロリ線」を吊っている「ちょう架線」と呼ばれる部分が断線していることが判明したため、上り線は13時41分に再度運行を見合わせた。
その後、16時48分に復旧作業が完了し、17時に運行を再開したものの、ダイヤは終日混乱。多数の列車が日付を跨いで運行された。
現場は、2本の架線が並行して設置されている区間。本来、互いに絶縁されている場所で、短絡が発生した。JR東海では事故の原因を「トロリ線を吊るための金具であるハンガの下部が折損し、エアセクション(架線を電気的に区分する箇所)内でトロリ線とちょう架線が短絡し、ちょう架線が断線したため」としており、同様の箇所を緊急点検するともに、ハンガの折損については原因を調査し、対策を検討するとしている。
推定されたハンガの折損により停電に至ったメカニズム。当該の架線は2016年11月6日に設置されており、直近では2022年12月12日に検査されたが、異常はなかったという。