ホンダ、武漢工場の稼働停止---中国ゼロコロナ抗議の余波[新聞ウォッチ]

東風ホンダの武漢第3工場(2021年4月)
  • 東風ホンダの武漢第3工場(2021年4月)
  • 中国・北京での、ゼロコロナに対する抗議活動(11月27日)
  • 日産セレナ新型
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  • 道の駅:川場田園プラザ

上海など中国の主要都市で新型コロナウイルスを徹底的に封じ込める「ゼロコロナ」政策への抗議活動が相次いでいるそうだ。政府の打ち出した緩和策を地方レベルで実現できず、市民の強い不満につながっており、習近平指導部への批判も高まるなど、共産党の統制が強い中国では異例の事態となっているという。

きょうの各紙も「ゼロコロナ抗議拡大50カ所、白紙掲げ『自由』要求、中国、W杯中継の影響も」(読売)や「中国ゼロコロナ複数で抗議、緩和策、市民届かず」(日経)などと、大きく取り上げている。

それによると、直接のきっかけは、10人が死亡したと伝えられる新疆ウイグル自治区ウルムチ市の火災。SNS(交流サイト)上ではロックダウン(都市封鎖)の影響で「消火活動が遅れた」との情報が拡散。犠牲者の追悼が抗議活動に発展しており、首都北京市や四川省成都市、湖北省武漢市、広東省広州市などに広がったとみられる。

こうした中で、現地に拠点を持つ日本企業の生産にも影響が広がり始めているという。読売などの報道によると、中国・武漢市に生産工場のあるホンダは、「ゼロコロナ」政策による都市封鎖などで従業員が出社できないため、中国合弁・東風本田汽車の3つの完成車工場の稼働を一時停止し、29日以降の操業については、未定としている。また、芝刈り機や船外機などを手掛ける重慶工場の停止期間を12月2日まで延長するという。

ホンダにとっては頼みの綱の中国での生産活動に支障をきたすと、業績にも影響を及ぼしかねない。ホンダのグローバル戦略は、需要のあるところで生産する「地産地消」が躍進の原動力になっている。だが、現地販売が振るわないインドでは、工場の稼働率が極端に低下しているため、インド製のRVなどを日本に“逆輸入”する再編の動きもみられるようだ。

2022年11月29日付

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《福田俊之》

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