カーオーディオユニットを自分で装着することに興味を持っているドライバー諸氏に向けて、そのやり方を解説している当コーナー。まずはスピーカー交換に関する手順やコツを紹介している。今回は、「インナーバッフル」について説明していく。
さて前回の記事の中で、ドアスピーカーの取り付けには「インナーバッフル」が必要となることについて軽く触れた。ところでこれは一体何なのかというと…。
ひと言でいうならこれは、「ドアスピーカー(ミッドウーファー)を取り付ける際の土台となるパーツ」だ。そしてドアスピーカーを取り付ける際には、なんらかの「インナーバッフル」を必ず使用するべきだ。
そうである理由は、主には4つある。まず1つ目は、「スピーカーを固定するためのネジを受ける必要があるから」だ。純正スピーカーを固定してあったネジ穴の位置とスピーカーのフレームに開けられているネジ穴の位置が合致することはほとんどない。なので、スピーカーを鉄板に直付けしようとすれば鉄板にネジ穴を開けなければならなくなる。しかし「インナーバッフル」を用いれば、この表面上のどこでもネジを受けられる。
使用がマストである2つ目の理由は、「スピーカーの足場を固める必要があるから」だ。クルマのドア内部の鉄板は案外薄く、そして案外軟弱だ。で、もしもそこにスピーカーを直付けすると、スピーカーの足場が安定せず振動板を動かそうとする力が多少なりともロスしてしまう。結果、スピーカーから発せられるべき情報量が減ってしまうのだ。
理由の3つ目は、「ドアの鉄板の共振を抑制したいから」だ。ドアの鉄板はスピーカーの振動板を動かそうとするエネルギーやスピーカーの裏側から発せられる音エネルギーにより簡単に共振し、異音を発する。そしてその異音はスピーカーから放たれる音を濁す。でも「インナーバッフル」を使用すれば、鉄板を補強する効果を発揮してくれるので共振の抑制が可能となるのだ。
そしてこれを使うべき理由の4つ目は、「スピーカーを立ち上げられるから」だ。もしも鉄板にスピーカーを直付けすると、スピーカーの取り付け面からドア内部に降りてくる窓ガラスまでの距離が短くなり、スピーカーとガラスが干渉しやすくなる。しかし「インナーバッフル」を用いればスピーカーをある程度起こせるので、窓ガラスまでのクリアランスを稼げるのだ。
今回は以上だ。次回以降も、スピーカーの取り付け方に関する情報をお伝えしていく。お楽しみに。