JR北海道は7月13日、キハ281系特急型気動車が9月30日限りで、キハ183系特急型気動車が2022年度中に定期運用を終了すると発表した。
キハ281系についてはキハ261系特急型気動車1000番台の増備が完了することを受けた措置で、『北斗』に3往復残る同車がキハ261系に置き換えられる。
キハ281系は1994年3月、JR北海道初の制御付き振子式気動車として『スーパー北斗』にデビュー。振子式の特性を活かしてカーブを通常より最大30km/hプラスで通過できる俊足ぶりを発揮し、函館~札幌間で初めて3時間を切る到達時間を実現。100km/hを超える表定速度は当時の在来線最速で「電車いらず」とさえ言われ、1992年1月に登場した試作車(900番台)を含む全27両がいまなお函館運輸所に健在だ。

なお、定期運行終了後の10月22・23日には『スーパー北斗』と名付けたラストラン列車が函館~札幌間で運行される。

一方、キハ183系は、キハ80系特急型気動車の後継として、1980年2月、スラントノーズと呼ばれた非貫通式先頭車を含む900番台が、1981年10月にはその量産車である0番台がデビュー。さらに1986年11月にはモデルチェンジ車として「N183系」と呼ばれる貫通式の500・1500番台が、1988年3月には500・1500番台のエンジンをさらにパワーアップし120km/h対応とした「NN183系」と呼ばれる550・1550番台がデビューした。
これらは『おおぞら』を筆頭に、『北斗』『北海』『オホーツク』『大雪』『サロベツ』といった北海道内の気動車特急にくまなく充当されたが、0番台の初期車は2018年3月、臨時列車の『旭山動物園号』を最後に引退。残るN・NN183系列は130km/h対応やエンジン換装などで2550~9500番台の複雑な区分となった車両が大半を占めており、32両全車が苗穂運転所に集結している(2022年4月時点)。

現在は札幌~網走間の『オホーツク』、旭川~網走間の『大雪』のみに運用されているが、近年は外板の剥げ具合などが目立ち、老朽化が著しいことが傍から見てもわかるほどで、『オホーツク』『大雪』には2022年3月のダイヤ改正で札幌~釧路間の『おおぞら』から退いたキハ283系に置き換えられることがアナウンスされている。ただし、同車は4両在籍していたグリーン車のキロ282形が『おおぞら』での運用終了後に全車廃車されている。

このほかキハ183系ではジョイフルトレインとして新製された車両も存在するが、最後まで残っていた4両編成の5200番台「ノースレインボーエクスプレス」も2023年春に引退することになり、9月には廃止が決定した函館本線の「山線」を走る札幌~函館間の臨時特急『ニセコ』に充当される。
