退職者過去最多のJR北海道が21年ぶりにベースアップ…斉藤国交相「労使交渉の結果」

JR北海道本社。
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斉藤鉄夫国土交通大臣は4月5日に開かれた定例会見で、JR北海道が21年ぶりに実施を決めた正社員のベースアップについて記者の質問に答えた。

コロナ禍の影響を受け、2021年度の最終決算も厳しいものが予想されているJR北海道だが、その状況下で500円のベースアップが決められたことについて所感を問われた斉藤大臣は「労使交渉による結果」と述べるに留めた。

2021年度には若手を中心に過去最多となる200人規模の退職者を出したと言われているJR北海道としては、経営が厳しく国から多額の支援を受けているとはいえ、ベースアップは社員を繋ぎ留める策のひとつでもある。斉藤大臣も退職者の増加は「事業継続の観点からも重大な問題であると受け止めています」と述べていることから、間接的にはベースアップに理解を示したようだ。

このような厳しい流れを受けて4月1日に発表されたJR北海道の2022年度事業計画では、人材を「コストではなく会社の貴重な資産」と位置づけており、自己都合退職者を含む再雇用や系統間の異動を検討する一方、「コロナ禍においても社員が安心して働ける労働環境の整備を推進する」として老朽化した社宅や寮の計画的な建替えなどを行ない、若手の退職対策を進めるとしている。

これについても斉藤大臣は「若手職員の定着につながることを、我々としては強く期待しているところです」と理解を示している。

《佐藤正樹》

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