北海道は2月10日、北海道新幹線の並行在来線のうち、長万部(おしゃまんべ)~小樽間の存廃を協議した「第12回後志ブロック会議」の議事録を公開した。
2月3日に行なわれたこの会議では、長万部~余市(よいち)間についてはバス転換とすることが事実上決定したが、余市町は余市~小樽間の輸送密度2000人を根拠に同区間の存続を主張。隣接する小樽市は住民説明会を経て判断するとして態度を保留しており、北海道も小樽市の態度が表明されない限り、支援の有無を表明できないとしている。
また、北海道からは余市~小樽間の輸送密度ついて言及があり、JRから経営分離される2030年度には、2018年度に示された2000人を前提にした当初予測の1493人を下回るという見解を示している。
余市~小樽間の存続を主張している余市町の玄関・余市駅。NHKの朝ドラの舞台にもなった町で、北海道内では名高いニッカウヰスキー余市蒸溜所がある観光の町でもあるだけに、鉄道の廃止は死活問題でもある。一方、長万部町からは、新幹線駅の整備やまちづくりの観点から「鉄道を廃止してバスに切り替える時期について少し早めていただけたら」という要望が出されたが、座長の北海道は倶知安(くっちゃん)町からも同様の要望があったことを明らかにし、「技術的な問題を含めて整理させていただいて、次回の会議の時にそういった方向性を皆さんで、早めるということを調整させていただきたいと思いますので、少しお時間をいただきたい」と述べた。
長万部町の玄関駅である函館本線長万部駅。長万部町は「第12回後志ブロック会議」で、まちづくりや駅舎周辺整備の観点から長万部~余市間の廃止前倒しを要望した。