新連載 [プロが頼りになるワケ]配線もお手のもの…スピーカー交換

取り付け性の高さも特長とする国産スピーカーの一例(ビーウィズ・Lucent Duo 165)。
  • 取り付け性の高さも特長とする国産スピーカーの一例(ビーウィズ・Lucent Duo 165)。
  • 取り付け性の高さも特長とする国産スピーカーの一例(ビーウィズ・Reference AM Duo 165S)。
  • 取り付け性の高さも特長とする国産スピーカーの一例(カロッツェリア・TS-C1730Sll)。
  • 取り付け性の高さも特長とする国産スピーカーの一例(カロッツェリア・TS-V173S)。
  • パッシブクロスオーバーネットワークを同梱する海外スピーカーの一例(DLS・RC6.2)。
  • パッシブクロスオーバーネットワークを同梱する海外スピーカーの一例(DLS・RCS5.2)。
  • パッシブクロスオーバーネットワークを同梱する海外スピーカーの一例(DLS・RCS6.2)。
  • パッシブクロスオーバーネットワークを同梱する海外スピーカーの一例(DLS・RZ6.2)。

カーオーディオ製品の取り付けを自分でやろうとするドライバーが増えている。しかし、いざ挑戦してみるとこれが結構難しい…。というわけで当特集では、これをプロに任せることをお薦めしている。プロなら難なく行える。そのプロならではの“凄さ”の中身に迫っている。

純正のスピーカーケーブルの配線は、結構複雑!?

まずは「スピーカー交換」におけるプロならではのバリューを解説している。今回は「スピーカー交換」を行う際に必要となる作業の1つ、「配線」について説明していく。

ちなみに、ユーザー自らが装着することも想定されている製品では、取説にて配線方法も解説されている。なのでそれに従って作業を進めれば問題なく音が出せる…、はずではあるのだが、ひと筋縄ではいかないことも有り得ている。なぜならば、純正の配線の状態が複雑化されているケースもあるからだ。

なお、純正スピーカーがフルレンジタイプ(ドアに装着されているスピーカーだけで低音から高音までを鳴らすタイプ)の場合には、純正の配線の状況は比較的にシンプルだ。メインユニット裏からドアスピーカーまでダイレクトに繋がっていて、流れている信号もフルレンジのままだ。そして交換するスピーカーもフルレンジタイプであれば、純正の配線をそっくりそのまま流用できる。スピーカーに接続する部分だけ多少の加工が必要になることは多いが、それにて作業を終了できる。

しかしながら最近の国産車では、セパレート2ウェイスピーカーが装着されている車種が増えている。さらには3ウェイの車種もある。そうであると、純正の配線が単純ではないケースも出てくる。例えば、純正のツイーターを外してしまうとそこで信号の流れが寸断されることもある。でもそれに気づかないと、装着後にミッドウーファーから音が出ない。このようなことも起こり得る。

その点プロは作業したことのある車種なら配線の状況を把握していて、さらには車体メーカーごとでの傾向も把握しているので、注意点を分かっている。最終的に音が出ないというようなトラブルは起こらない。

パッシブを使用するスピーカーの場合、その扱いにもセンスが必要!?

ところで、交換するスピーカーがセパレート2ウェイタイプなら多くの場合、パッシブクロスオーバーネットワーク(以下、パッシブ)なるパーツが付属されている。これはつまりは、音楽信号をツイーター用の高音とミッドウーファー用の中低音とに分割するためのパーツだ。

なお、装着が簡単であることがうたわれた製品の場合は、パッシブが簡略化されていることもある。ツイーター用のパッシブはツイーターの配線の途中に組み込まれ、ミッドウーファーにはパッシブが使われずにフルレンジで鳴らされる。そうであると配線作業は比較的に簡単になり、かつ純正の配線を活用しやすい。

しかし、そのような簡易的な仕様になっている製品はどちらかというと少数派だ。多くのスピーカーはパッシブが別体化されていて、それにフルレンジの信号を入力し、パッシブからツイーターまで、そしてパッシブからミッドウーファーまで個別に配線することとなる。なおパッシブ以降の配線は、新規にケーブルを用意して配線されるケースが多い。

で、パッシブを使用するケースではまず、これをどこに設置するかが悩みどころとなる。できれば合理的に配線作業を完了したい。設置する場所によっては配線作業の手間が増えることもある。

そしてもう1つ、パッシブには必ずフルレンジの信号を入力しなくてはならないのだが、フルレンジの信号をどこから引き込むかというところも注意点となる。というのも、純正配線の中には高音の信号しか流れていないケーブルがあったり、超低音がカットされているケースも有り得る。にもかかわらず例えば高音しか流れていない配線をパッシブに接続してしまうと、装着後にはミッドウーファーからは音が出てこない。

プロなら、設置場所の選定もフルレンジ信号の確保も的確に行える!

しかしプロならば、パッシブをどこに設置すれば良いのかを総合的に判断できる。そしてフルレンジの信号をどこから取ると良いのかの見極めも正しく行える。

ちなみにパッシブの設置場所というと、パッシブが小型な場合にはメインユニットのすぐ裏側とかダッシュボード内のどこか空いているスペースに取り付けられることが多い。そしてこのケースでは、メインユニットの裏からダイレクトにフルレンジの信号が入力される場合が多くなる。また少し大きめのパッシブの場合は、ドアスピーカーのところまでフルレンジの信号が来ていることが条件となるが、ドアの内部に固定されることもある。またドアに入りきらないほど大きい場合は、シート下に置かれることもある。

ところで、スピーカーを交換する場合にスピーカーケーブルも市販品に交換されることもある。音のことを考えたら、むしろケーブルは交換した方が良い。で、新規にケーブルを引き直すことになる場合にも、作業的に難しい箇所が出てくる。難所となるのは主には2点だ。1つ目は、メインユニット裏からダッシュボードの左右の両端までケーブルを通すところだ。プロはケーブルを通すための専用の工具を使ってこれを行うが、見えない部分なので棒のようなその専用工具の扱いには慎重性が求められる。しかしプロはコツを心得ているのでトラブルは起こさない。

難所の2つ目は、室内からドア内部へとケーブルを通すところだ。特にケーブルの通り道が狭い車種があり、そうだとすると難易度が上がる。また、その部分がカプラー形状になっている車種が増えていて、そうであるとそのカプラー部分を壊さなければならない。しかしプロは、そのどちらに対しても経験とノウハウを持っているので、多少作業に時間を要することこそあれど、最終的にはなんとかしてくれる。

せっかく良いスピーカーに交換しても、配線でミスると音が出なかったり、プラスとマイナスを間違えるというようなイージーなミスも起こり得る。しかしプロに任せれば安心だ。配線作業もそつなくやってもらえて、ストレスなく良音を満喫できる。

今回は以上だ。次回も「スピー-カー交換」においてのプロのバリュー解説を続行する。お楽しみに。

太田祥三|ライター
大学卒業後、出版社に勤務し雑誌編集者としてキャリアを積む。カー雑誌、インテリア雑誌、そしてカーオーディオ専門誌の編集長を歴任した後、約20年間務めた会社を退職しフリーに。カーオーディオ、カーナビ、その他カーエレクトロニクス関連を中心に幅広く執筆活動を展開中。ライフワークとして音楽活動にも取り組んでいる。

《太田祥三》

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