Sクラスをコンパクトボディに凝縮したメルセデス『Cクラス』の源流【懐かしのカーカタログ】

メルセデスベンツ 190シリーズ(W201)
  • メルセデスベンツ 190シリーズ(W201)
  • メルセデスベンツ 190シリーズ(W201)
  • メルセデスベンツ 190E 2.3-16
  • メルセデスベンツ Cクラス 初代(W202)
  • メルセデスベンツ Cクラス 初代(W202)
  • メルセデスベンツ Cクラスワゴン 初代(S202)
  • メルセデスベンツ Cクラス 2代目(W203)
  • メルセデスベンツ Cクラス 2代目(W203)

今年フルモデルチェンジした輸入車の1台、メルセデスベンツ『Cクラス』。新たに上陸したのは5代目になるが、その源流だった『190シリーズ』からの歴代モデルを今回は振り返ってみたい。(年号は日本登場時のもの)

190(W201・1985年)

メルセデスベンツ 190E 2.3-16メルセデスベンツ 190E 2.3-16

現在の『Cクラス』の前身、『190シリーズ』は1985年に日本仕様が発売された。全長4420mm×全幅1680mmと日本の5ナンバーサイズに収まるコンパクトなボディと『Sクラス』をそのまま凝縮したような“中身”が大きな話題に。シンプルなスタイルは、セダンであるながらCd値=0.33を誇った。

日本仕様はまず4気筒の2リットルが投入され、ほどなく6気筒の2.6リットル、5気筒の2.5リットルディーゼルや、DTM(ドイツ・ツーリングカー選手権)のための高性能車「190E 2.3-16」、同「2.5-16」(やevo)なども登場。後期型ではサッコプレート付きに。レンズに凹凸を設け視認性を確保したテールランプも特徴。

メルセデスベンツ 190シリーズ(W201)メルセデスベンツ 190シリーズ(W201)

Cクラス・初代(W202・1995年)

メルセデスベンツ Cクラス 初代(W202)メルセデスベンツ Cクラス 初代(W202)

『190シリーズ』は1世代で終わり、そのフルモデルチェンジ版として登場したのが『Cクラス』だった。先代の『190シリーズ』の進化形を思わすスタイリングは丸みを帯びたものとなり、全長は1720mmに、ホイールベースは25mmだけ伸ばされ2690mmに。最小回転半径は『190シリーズ』の5mに対し4.9mとなった。マルチリンク式のリヤサスペンション形式も引き継がれている。

メルセデスベンツ Cクラスワゴン 初代(S202)メルセデスベンツ Cクラスワゴン 初代(S202)

この世代では“CXXX”とエンジン排気量を示すモデル名が採用され、立ち上がりは、C200(2リットル/4気筒)、C230(2.3リットル)、C280(2.8リットル/6気筒)といった布陣。C280には全高を25mm落としたSPORTLINEも設定。初のステーションワゴンも登場した。

2代目(W203・2000年)

メルセデスベンツ Cクラス 2代目(W203)メルセデスベンツ Cクラス 2代目(W203)

『Cクラス』として初のフルモデルチェンジを迎えて登場したのがこのモデル。殻のままのピーナッツか細胞分裂の途中の模型のようなユニークなヘッドランプ形状が目を惹いた。

中央に大型のスピード計を据えたメーターパネルなど、インテリアの様相も大きく変化した。サスペンションはフロントが3リンク式に(リヤはマルチリンク)。ボディサイズは全幅が1730mmとなっている。グレードを示すモデル名は直接エンジン排気量を示すものではなくなり、4気筒の2リットル車はNAが「C180」、スーパーチャージャー付きが「C200」、V6は2.6リットルが「C240」、3.2リットルのみ「C320」の標記に。ATはティップシフト付きに。

メルセデスベンツ Cクラス 2代目(W203)メルセデスベンツ Cクラス 2代目(W203)

3代目(W204・2006年)

メルセデスベンツ Cクラス 3代目(W204)メルセデスベンツ Cクラス 3代目(W204)

全幅は1770mmに。シリーズはアヴァンギャルドとエレガンスの2シリーズが用意され、前者のフロントグリルには、それまでクーペ系に採用されてきたセンターにスリー・ポインテッド・スターを大きくあしらったデザインを採用。一方でエレガンスのグリルは、この世代を最後に消滅した。アジリティ(敏捷性)をテーマに、足回りには可変ダンピングシステムや、W203から採用のラック&ピニオン式のステアリングシステムを採用。

ドライバーがアクセルから級に足を離した場合に、ブレーキディスクとパッドの感覚を狭め素早く最大の制動に備えるアダプティブブレーキなども搭載。2011年のマイナーチェンジでは、フロントまわりのボディ外板を始めとしたアルミの採用で軽量化も行われた。ボディタイプはセダン、ステーションワゴンのほかにクーペも用意された。

メルセデスベンツ Cクラス 3代目(W204)メルセデスベンツ Cクラス 3代目(W204)

4代目(W205・2014年)

メルセデスベンツ Cクラス 4代目(W205、S205)メルセデスベンツ Cクラス 4代目(W205、S205)

全幅は1810mmへ拡大するも、W204以上の軽量化とアジリティを推進。2018年の大幅改良では、セーフティドライブを支えるレーダーセーフティや、ベルトドライブ式スタータージェネレーター、BSG+48V電気システムの搭載など、先進技術も投入された。専用の12.3インチのコックピットディスプレイ、ステアリングのタッチコントロールボタンなども新たに採用した。

パワーユニットには1.5リットルの4気筒直噴(48V・BSG)2リットル直噴ターボディーゼル(BlueTEC)などを搭載。プラグインハイブリッドの導入(後に高出力版も設定)もあった。ボディタイプは、セダン、ステーションワゴン、クーペ、カブリオレの4タイプ。

メルセデスベンツ Cクラス 4代目(W205)メルセデスベンツ Cクラス 4代目(W205)
《島崎七生人》

島崎七生人

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト 1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

編集部おすすめのニュース

特集