台湾TSMCとソニー、熊本の半導体新工場…生産開始は2024年末[新聞ウォッチ]

TSMCの南京工場
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「焼け石に水」とまでは言わないまでも、生産開始予定が3年先の2024年末では、残念ながら足元の半導体不足解消の“即戦力”とはならないだろう。

半導体受託製造の世界最大手・台湾積体電路製造(TSMC)とソニーグループの半導体子会社「ソニーセミコンダクタソリューションズ(ソニーSS)」の両社が、熊本県に自動車やIT関連の向けの半導体の新工場を建設すると発表した。

きょうの日経などが「TSMC、日本工場に8000億円、ソニー、570億円出資で合弁」などと取り上げている。それによると、TSMCにとっては日本で初めてとなる生産拠点だが、初期投資額は約70億ドル(8000億円)を計画。ソニーグループとの共同出資で、半導体製造受託サービス会社を設立する。ソニー側は約5億ドル(570億円)で20%未満の株式を取得する予定という。

新工場は熊本県菊陽町のソニーSSの画像センサー工場の隣接地に建設し、生産開始は2024年末を予定。月間生産能力は300ミリメートルウエハー換算で4万5000枚となる見通しで、約1500人の雇用を見込んでいるようだ。

日本政府は半導体の確保を経済安全保障の重要案件として、新工場の建設が安定調達につながる判断し、世界でも有数の技術力を持つTSMCの誘致に力を入れてきた経緯がある。日本が海外の個別企業に対して実施する支援では、過去最大の異例の案件で、巨額の補助金を通じて、建設計画を支援する方針という。TSMCとソニーの両社も「日本政府から強力な支援を受ける前提で検討している」とコメントしている。

ただ、きょうの日経によると、半導体確保に苦戦していた自動車各社も「半導体確保に一定のめどが立ったほか、新型コロナウイルスの感染拡大が一服。世界経済回復の重荷になっていた自動車の供給制約が改善する兆しが出てきた」とも伝えている。果たして政府肝いりの新工場が稼働する3年先まで半導体不足が続いているのかどうか……。

2021年11月10日付

●日産1200億円上方修正、最終益見通し、円安や奨励金抑制で(読売・8面)

●米GE 3分割計画、医療・エネ・航空エンジン(読売・9面)

●半導体新工場に8000億円、熊本に建設、TSMC、ソニーと出資(朝日・3面)

●テスラ株一時7%下落、マスク氏「私の持ち株売るべき?」アンケート(朝日・9面)

●スバル販売書類送検、警視庁フロン法違反容疑(毎日・22面)

●9月経常黒字31%減、自動車減産で輸出鈍化(産経・2面)

●社説・リニア工事事故、JRは安全貫く覚悟を(東京・5面)

●「東洋一の市電」なお現役、神戸、広島引き継がれ半世紀(東京・29面)

●車生産回復見込む、トヨタや日産、半導体確保メド、人手不足の解消焦点(日経・3面)

●JR東、ダイヤ改正で減便検討(日経・15面)

●円安で利益2100億円上振れ、今年度トヨタなど主要製造20社(日経・19面)

●ヤマハ発が最高益、今期純利益2.7倍、高単価バイク好調(日経・17面)

《福田俊之》

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