三菱自 加藤社長「営業利益計画を1年前倒しで達成」…通期予想を600億円に上方修正

三菱 アウトランダー PHEV
  • 三菱 アウトランダー PHEV
  • 三菱エクリプスクロス
  • 三菱eKスペース
  • 三菱自動車加藤隆雄社長(参考画像)

三菱自動車工業は11月4日、2022年3月期の第2四半期(4~9月期)連結決算をオンラインで発表した。各地域の販売回復などで営業利益は252億円(前年同期は826億円の赤字)を確保し、黒字転換した。通期予想は第1四半期発表時に続いて上方修正した。

第2四半期累計のグローバル販売は、前年同期比26%増の44万2000台に改善した。主力のASEAN地域が51%増の10万7000台となったほか、新型アウトランダーのガソリン車を4月に投入した北米が49%増の7万6000台となって、販売回復をリードした。前年同期に苦戦した日本も26%増の3万4000台ともち直してきた。

営業損益段階の増減益状況は、販売台数増による増益影響が399億円にのぼった。また、前期に取り組んだ構造改革による固定費削減などの効果も142億円の増益要因となっている。為替レートは1ドル110円で、前期比3円の円安となるなど大半の通貨が円安で推移し、208億円の増益に寄与した。

純利益は217億円(前年同期は2099億円の赤字)となり、この期では2年ぶりに黒字転換した。売上高は54.9%増の8906億円と、販売の回復で大幅増収を確保している。

22年3月期通期の業績予想は、半導体不足による生産への影響などによりグローバル販売を前回見通しから6万4000台下方修正し、90万3000台(前期比13%増)に見直した。そのうえで、円安効果などを反映し、営業利益は従来比で200億円増額の600億円(前期は953億円の赤字)、純利益は250億円増額の400億円(同3123億円の赤字)に上方修正した。

オンライン会見で加藤隆雄社長は、第2四半期決算について「販売の回復や構造改革による固定費削減などに、為替の追い風もあって計画を上回る業績を達成することができた。だが、半導体不足に端を発した生産への影響リスクは続いており、不透明感を払しょくするには時間がかかりそうだ」と、振り返った。

一方、通期予想を上方修正したことにより、「中期計画で22年度の目標としてきた営業利益500億円は、1年前倒しで達成できる見通しになった」と指摘。下期については、「フラッグシップである新型アウトランダーの販売地域の拡大やPHEV(プラグインハイブリッド車)投入効果の最大化を図り、修正計画の達成に全力を尽くす」と強調した。

《池原照雄》

【注目の記事】[PR]

編集部おすすめのニュース

特集