住友ゴム、2050年にバイオマスとリサイクル材料比率100%のタイヤを実現…サステナビリティ長期方針

住友ゴム工業は9月22日、サステナビリティ長期方針に関するオンライン説明会を開催。主力のタイヤ事業で、製品に占めるバイオマス材料とリサイクル材料の合計比率を現状の25~30%から段階的に引き上げ、30年に40%、50年に100%にすると発表した。

「当社では、従来から次世代のタイヤ開発、周辺のサービス技術として『スマートタイヤコンセプト』を推進し、安全性能を高めるセーフティテクノロジーと環境性能を高めるエナセーブテクノロジーを搭載したタイヤを開発・販売してきた。100年に一度といわれるモータリゼーションの変革に対応するため、今後さらに安全で環境に優しいサステナブルなタイヤ開発をLCA(ライフサイクルアセスメント)を基軸に据えて加速していく」とサステナビリティ推進本部長の山下文一執行役員。

同社は2013年に世界初の100%石油外天然資源タイヤ「エナセーブ100」や、19年に高機能バイオマスセルロースナノファイバーを世界で初めて採用したタイヤ「エナセーブNEXT III」を発売するなど、環境に優しいタイヤでは定評があるが、サステナブル原料比率をさらに向上させるにはさまざまな困難が伴うようだ。

なにしろ、タイヤには天然ゴムをはじめ、合成ゴム、カーボンブラック、シリカやスチールコードなどさまざまな原材料が使用されているからだ。そこで、合成ゴムやカーボンブラックなどの有機物資源は化石資源から持続性のある植物バイオマス資源へ、またシリカやスチールなどの無機物資源はリサイクルによる循環型原材料の使用を目指すことにした。

こうした取り組みを加速することによって、サステナブル原料比率を徐々に高め、50年に100%へ持って行くわけだが、それはタイヤ事業に限らず、スポーツや産業品の事業でも同様に取り組んでいくという。

「調達、輸送、開発、製造、販売、使用のサプライチェーン全体を通じて、タイヤ、スポーツ、産業品の各事業でCO2の削減、原材料のバイオマス化およびリサイクル化、サステナブルな商品開発を目指していく」と山下執行役員は強調する。

また工場についても、太陽光発電や水素を活用することによって、排出するCO2を2030年に50%削減し、2050年にカーボンニュートラルを目指すという。21年8月には福島県の白河工場でその実証実験が開始され、23年に「製造時CO2排出ゼロタイヤ」が実際に製造されるそうだ。そのほか、プラスチックの削減も打ち出しており、タイヤラベル、商品包装材、販促ツール等のプラスチック使用料を2030年までに2019年度比で40%削減する。

「現在、企業が事業活動を行ううえで、サステナビリティの観点を取り入れることは最重要事項であり、なかでも気候変動の影響を抑制するためのCO2削減は、今や全世界的な潮流になっている。このようななか、当社のコア事業であるタイヤが関わる自動車業界は、各社がEV化に舵を切るなど急速な変化が起こっている」と村岡清繁常務執行役員は話し、今後は8月に発表したサステナビリティ長期方針「はずむ未来チャレンジ2050」に基づき、社会に貢献できる製品やサービスをさらに充実していく方針だ。

《山田清志》

編集部おすすめのニュース

特集

おすすめのニュース