トヨタ 前田CTO「30年までに電池に1兆5000億円投資」…20年代後半に台当たりコストは50%低減

トヨタの電気自動車 bZ4Xコンセプト
  • トヨタの電気自動車 bZ4Xコンセプト
  • トヨタ、バイポーラ型ニッケル水素電池
  • トヨタ自動車の前田昌彦執行役員CTO
  • トヨタ 岡田政道執行役員CPO

トヨタ自動車は9月7日、電池およびカーボンニュートラルに関する報道関係者向けのオンライン説明会を開いた。このなかで2030年までに電池の開発と供給において合計1兆5000億円の投資を行う方針を明らかにした。

説明会にはCTO(チーフ・テクノロジー・オフィサー)を務める前田昌彦執行役員や、CPO(チーフ・プロダクション・オフィサー)の岡田政道執行役員らが出席した。トヨタは2030年にグローバルで800万台の電動車を販売し、このうち電気自動車(BEV)と燃料電池車(FCEV)は200万台とする計画を打ち出している。

これに伴い、30年には容量の総計で200GWh以上の電池供給が必要と想定しており、ニッケル水素電池やリチウムイオン電池、さらに開発中の「全固体電池」など多彩な種目による開発と供給を図る方針だ。前田CTOは200GWh以上の供給体制に向けたトヨタの総投資額は、1兆5000億円になると表明した。また、生産部門を担当する岡田CPOは、このうち「生産ラインへの投資(供給投資)で1兆円を想定している」と言及した。

電池の生産ラインは、30年までにはBEV用などにグローバルで合計70本を新設する計画だ。トヨタは自社やグループ内だけでなく、パナソニック、中国CALTなどと電池の協業で提携しており、外部との連携で膨大な電池供給を需要地ごとにまかなっていく。

一方、BEVなど電動車の普及をリードするうえで欠かせないコスト競争力について前田CTOは、2020年代後半までに車両1台当たりの電池コストを現状より50%低減する目標も示した。具体的には電池単体で30%以上のコスト低減、車両側の電費(電気消費量)の30%改善による電池容量の30%低減を図ることの併せ技によって実現する構えだ。

前田CTOは、1997年の世界初の量産ハイブリッド車(HEV)投入時から電池を自社開発・生産してきたノウハウなどにより「クルマと電池をより高い次元でバランスさせることができるのが当社の優位性であり、強み」と述べ、今後のコスト低減にも自信を示した。

また、前田CTOは20年代前半の実用化を目指して開発中の全固体電池については、「耐久性などの課題も明らかになってきた。まずはHEV用として早期実現を図りたい」とし、当初はHEVに採用する方針を明らかにした。

《池原照雄》

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