◆5G通信でアウディらしい車内インフォテインメント体験を可能に

将来的には、5Gモバイル通信の高帯域幅が、アウディらしい車内インフォテインメント体験を可能にすると見込んでいる。スムーズで高解像度のマルチチャンネルオーディオやビデオストリーミング、ビデオ会議、VRヘッドセットを使用した没入型ゲームなどが車内でできるようになる。
拡張モバイルブロードバンド(eMBB)は、多くの帯域幅を必要とするアプリケーションで、高いデータレートを可能にする。これにより、快適性だけでなく安全性も大幅に引き上げていく。また、乗員の好みや習慣、ニーズを把握し、人工知能(AI)によって快適性や安全性を向上させる「人と共感する車」を実現するなど、さらなる発展が期待されるという。
◆新デザインの「myAudi」アプリに新機能

加えて、「アウディコネクト」のパッケージを拡張したり、myAudiを使用して新しいアウディコネクト機能を予約したりすることもできる。また、「AudiPay」は、デジタルサービスのための安全で便利なグローバル決済や請求システムとして機能する。
◆Car2XとC-V2Xのネットワークで安全性と快適性を向上

現在、「Car2X」と「C-V2X」テクノロジーがその取り組みの中心的な柱だ。Car2Xの場合、モバイル通信技術は各車両にインストールされている。車両は、信号機やインテリジェントな道路標識など、他の車両や交通インフラとの間で情報をやり取りする。 Car2X通信はリアルタイムで行われる。データは匿名で通信ネットワークに送信され、データは短時間しか保存されない。
C-V2Xは、5Gモバイル通信規格に基づいており、可能な限り最小の遅延と高い信頼性でデータを直接転送する。アウディ車は2017年から、事故や緊急車両の存在、交通渋滞、滑りやすい路面、視界の悪化などについて、ドライバーに警告を発してきた。
「car-to-X」サービスの「ローカルハザード情報」は、その目的のためにさまざまな車両データを評価する。ヨーロッパでは、フォルクスワーゲングループの170万台以上の車両が、2021~2022年の最新データで、ハザード情報サービスを提供する。その台数は300万台を超えている。
◆ドゥカティと協力して二輪車の事故を減らす取り組みも

また、「ConVex」プロジェクトを通じて、アウディはドゥカティと協力し、事故を引き起こす可能性が高いモーターサイクリストによく見られる3つの状況で、C-V2Xテクノロジーをテストしている。3つの状況とは、交差点での巻き込み、左折、前の車両による急ブレーキだ。
中国市場では、アウディ『A7L』と『A6L』が、最初に5G通信モジュールを装備する。低遅延と高可用性を備えた5Gは、安全な自動運転に必要なもの。アウディは5Gを使用して、信号システムとネットワークを構築することにより、都市部におけるより効率的で快適なドライブを可能にしていく。
また、C-V2Xに基づく新しいサービスは、交通安全の向上につながる。前の車両がブレーキを踏んだという警告がすぐに後方の車両にも伝達される。また、緊急車両が目視できない場合でも、緊急車両の接近をドライバーに警告することもできるという。