パナソニック、オリンピック競技に電動アシスト自転車を納入…ケイリン先導車、市販仕様も登場

パナソニックは7月30日、電動アシスト自転車についての記者会見を行い、「東京2020オリンピック」のケイリン競技で使用される先導車を納入したことと、その先導車の技術を取り入れた電動アシスト自転車『XU1』を8月5日に発売することを発表した。価格は25万1000円だ。

「そもそもなぜケイリン先導車を開発することになったのかというと、環境への取り組みと電動アシスト自転車スポーツタイムのさらなる進化に向けた技術の磨き上げがあった。ケイリン先導車の開発は大きな挑戦だった」とパナソニック サイクルテック開発戦略担当統括部長の中田充生氏は振り返る。その裏にはパナソニックが東京2020オリンピック大会のスポンサーになっており、環境面で貢献したいという思いもあった。

ケイリンは7人までの選手によってトラック6周で競われるスポーツで、ペースメーカーである先導車が選手たちへの風よけになり、段階的に時速50km/hまで速度を上げ、残り3周で離脱した後、選手だけのレースとなって勝敗を決する。これまではその先導車はオートバイが務めていた。

「半周ごとに決まっている速度に滑らかに合わせられるコントロール性の確立、またすり鉢状に45度の傾斜がついた競技場で安定走行が可能で、かつ正確にラインをトレースして走行できるハンドリング性能など、高次元の開発スペックが求められる」と中田氏。東京2020オリンピックに納入したケイリン先導車東京2020オリンピックに納入したケイリン先導車写真をすべて見る

そして、1年半以上に及ぶ試行錯誤を経て完成した。その先導車の特長は、最高時速50km/hを発揮する高出力モーター、選手が追随しやすい非常に滑らかで安定した加速を可能にするアシスト制御、あらゆる速度域でも正確にラインをトレースし直進安定性を確保するフレーム設計の3つ。

「XU1はケイリン先導車から得られたデータをフィードバックし、従来車種より40mmフレームを下げて車体を低重心化、走行安定性を重視したハンドリングと跨ぎやすさを向上した新フレームを採用した。また、ペダルを踏んだときに直接駆動部に伝えるダイレクトドライブ機構で滑らかで力強いアシストフィーリングを実現した」と中田氏は説明する。

デザインも先導車と似ており、マイルドなハンドリング性を先導車から受け継いだことで、女性やスポーツ走行の初心者でも扱いやすいそうだ。パナソニックは、このXU1で国内の電動アシスト自転車スポーツタイプ市場を拡大しようと狙っている。

なにしろ、同市場はここ5年間で約7倍に拡大しているものの、電動アシスト自転車全体からみればまだ10%以下。ドイツの62%、フランスの46%に比べてまだまだ低く、拡大できる余地が大きいからだ。そこで、パナソニックは体験プログラムなどを通じて、電動アシスト自転車スポーツタイプの訴求を図っており、 乗りやすいXU1の登場は力強い援軍になりそうだ。

東京2020オリンピックのケイリンは8月4、5、7、8日に伊豆ベロドローム(静岡県伊豆市)で開催予定だ。

《山田清志》
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