はとバスは7月13日、2020年会計年度(2020年7月~2021年6月)東京観光利用者数(速報値)を発表。前年度比88.7%減の4万8825人、コロナ禍前の2018年度比では93.7%減と、回復が依然として進んでいないことが明らかになった。
新型コロナウイルス感染症拡大による諸外国における出入国制限が引き続き実施されており、はとバスでは、2020年4月以降、インバウンド向けの外国語コースの発表・運行を休止。日本語コースについても苦境が続いている。
2020年7~9月は1度目の緊急事態宣言が明けたものの、Go Toトラベル事業の東京都目的・都民の対象除外により、東京観光の需要は回復しなかった。10~11月はGo Toトラベル事業に東京都目的・都民が対象に追加されたことに加えて、「もっと楽しもう!TokyoTokyo」が運用開始となり、対象コースへの予約・問い合わせが急増。利用者数が年度内で最多となったが、2018年度比では10月で89%減、11月で79%減にとどまった。
12月には感染再拡大や観光推進事業が停止。冬季の旅行シーズンである年末年始期間の利用は低迷した。1~3月および4~6月にかけて発令された緊急事態宣言では、全便運休とし、2020年度の運休日数は延べ139日。運行再開後も東京観光需要の急速な回復はなく、2度目の緊急事態宣言が明けた3月の運行再開時(3月22日)は桜鑑賞コースを中心に需要が伸びたが、2018年度比では92.8%減にとどまった。
2021年度は、ワクチン接種が進むことで国内旅行マインドの上昇が見込まれるが、はとバスでは、貸切バスによる団体旅行やインバウンド向け外国語コースの完全な需要回復には相当な時間を要すると想定。首都圏の旅行を中心とした個人旅行について早期の回復を目指す。また、7月31日には同社初となるオンラインツアーを計画。「プロのバスガイドが案内する東京観光」をオンラインならではの視点から、中継(一部収録映像あり)を繋いで紹介する。各スポットでは、普段のバスツアーでは見ることのできない特別な場所に潜入し、はとバスバスガイドによる観光案内を提供。さらに参加者にはツアー参加特典として、はとバスオリジナルグッズを郵送でプレゼントする。