企業倒産件数が大幅減、全9地区で過去30年間最少を記録…2021年上半期 東京商工リサーチ

全国企業倒産件数の推移
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東京商工リサーチが7月8日に発表した2021年上半期(1~6月)の全国企業倒産状況によると、倒産件数は前年同期比23.9%減の3044件だった。

コロナ禍の資金繰り支援が奏功し、上半期では2年ぶりに前年同期を下回り、過去50年間では1990年(2948件)に次ぐ低水準となった。しかし、新型コロナウイルス関連倒産は762件。1月以降、6か月連続で100件を超えている。

負債総額は同6.9%減の6116億5900万円で2年連続の減少。50年間ではバブル期の1989年(5504億7100万円)に次いで4番目の低さとなった。負債1000億円以上が5月に1件発生したが、同10億円以上は78件(前年同期105件)、同5億円以上10億円未満は95件(同135件)、1億円以上5億円未満は578件(同800件)と減少。倒産件数の大幅減少もあって、負債総額を押し下げた。

産業別倒産件数は、10産業のうち8産業で前年同期を下回った。農・林・漁・鉱業と建設業、製造業、卸売業、小売業の5産業が、30年間で最少となった。長期化するコロナ禍の影響が懸念される飲食業などを含むサービス業他は996件(前年同期比23.0%減)で6年ぶりに減少し、1999年(897件)以来、22年ぶりに1000件を下回った。そのほか、建設業が527件(前年同期比18.6%減)で13年連続で前年同期を下回った。また、小売業368件(同31.3%減)が3年連続、情報通信業107件(同19.5%減)が2年連続、農・林・漁・鉱業26件(同55.9%減)と製造業340件(同31.3%減)、卸売業412件(同28.3%減)、金融・保険業11件(同38.8%減)が2年ぶりに、それぞれ減少した。一方、不動産業137件(同9.6%増)が2年連続、運輸業120件(同2.5%増)が2年ぶりに、それぞれ前年同期を上回った。

地区別では、2010年同期以来、11年ぶりに全9地区で前年同期を下回り、上半期として1992年以降の30年間で最少となった。北海道77件(前年同期比29.3%減)と関東1200件(同12.8%減)が4年連続で減少。九州236件(同30.5%減)が2年連続、東北107件(同48.5%減)と中部366件(同29.6%減)、近畿775件(同24.9%減)、中国132件(同33.6%減)が2年ぶり、北陸83件(同26.5%減)が3年ぶり、四国68件(同33.3%減)が4年ぶりに、それぞれ前年同期を下回った。北海道が30年間で初めて100件を下回り、近畿が1991年同期以来の1000件割れとなった。

《纐纈敏也@DAYS》

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