自動車業界で熱望されるリーダーとは:変化を捉えて主導すべき時…アクセンチュア 川野毅氏[インタビュー]

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コロナ禍 / コロナ後と変化する新たな5つのテクノロジートレンドと、それに即応する“変化の達人”とは。アクセンチュア テクノロジー コンサルティング本部 マネジング・ディレクターの川野毅氏に聞いた。

7月29日開催の無料オンラインセミナー「自動車産業がソフトウェアの巨大化の波を乗り超え勝ち抜くための戦略」では、5つのテクノロジートレンドの詳細や自動車業界が今すぐ取組まねばならない事をテーマに開催されます。 詳細はこちらから

変化を捉えて主導するリーダーが求められている


第4次産業革命が進む現在、デジタルテクノロジーを駆使した経営や現場オペレーションはあらゆる業界で当然のものとなっています。さらに“その先”に変革の歩を進めるための視点として、弊社は “Technology Vision2021”を発表しました。当レポートは20年以上にわたり毎年発表し続けていますが、今年は31カ国/14の業界にわたる6,241人の企業経営層およびIT担当幹部を対象にした調査、先進的なプロジェクトをリードするアクセンチュアの経営幹部約100人に対するインタビュー、ベンチャーキャピタル等の外部有識者で構成される諮問委員会からの知見などをもとにまとめたものとなっています。
主題は、変化をとらえて主導すべき時、です。
変化に“対応”するのではなく、自ら新しい機会を創造する。そのためにテクノロジーの本質を見抜く経営者、テクノロジーを徹底的に使い倒す現場担当など、全員がテクノロジーリーダーであるべき、というメッセージを提示しています。

5つのテクノロジートレンド


テクノロジーを駆使し変革の歩を進めるための視点を、5つのテクノロジートレンドとして提示しています。
これはすべての業界に通じる視点であり、当然自動車業界においても有用であると考えています。利用者体験に応じた可変性の高いHMI、多様なサービスを産み出すためのコネクテッドプラットフォーム、網羅的かつ継続的なセキュリティ対策など、自らテクノロジーを駆使し、より価値の高い世界の再構築をリードしなければ激しい競争に勝ち抜くことは困難な状況となっています。

また、この5つのテクノロジートレンドを捉えて、いかに変革を進めるか。そのステップについても「基盤を固める」「戦略を拡張する」「体験の再発明」に分け、多様な業界の事例を交えて提言しています。

トレンドの1点目として、「テクノロジーの戦略的集積」をあげています。
テクノロジー戦略と企業目標の整合性確保の重要性はだれもが認めるところですが、現実はうまくいっていないケースが多々あります。かたや、2年で3000万人を超えるユーザーを確保するデジタル決済サービスを実現する、テクノロジー人材を経営の核と捉えた業務改革を断行し同時にITコストを50%削減する等、着実に変革をリードする企業も存在しています。

2点目は「ミラーワールド」です。
多種多様なデジタルデータをもとに、高速でシミュレーションをまわすことで物理的な限界を超えた研究開発を実現するなど、自動車業界ふくめて“ミラーワールド”の構想は進んでいます。しかしながら、実際に成果を得るどころか、データを集めることさえ十分にできていない状況が散見されます。データの力を信じ、徹底的な透明性をもって他者に伝えることが出来るリーダーの存在が不可欠です。

3点目は「テクノロジーを民主化する」です。
テクノロジーの活用はIT部門のみの所掌ではなく、誰もがテクノロジーを武器にイノベーターになれる時代に突入しています。自治体の現場職員がノーコードプラットフォームを駆使して市民向けサービスを立ち上げ、人手によるオペレーションを10分の1以下に減少させた事例なども出てきています。同時に、個人々々が組織目標と整合しない勝手な対応をしてしまうと、類似アプリケーションの乱立やセキュリティリスクの発生といった状況を招きかねません。テクノロジーの活用に向けたガバナンスの議論も不可欠です。

4点目は「あらゆる場所が仕事場に~自社の環境を持ち歩く」です。
決して自宅で職場のPCが使えることだけでは十分ではありません。場所や時差等を考慮し、いかに職員が健康的にモチベーション高く仕事ができるか、自己組織的にコラボレーションがうまれるか。その視点からの“環境”整備が求められます。

最後は、「個」から「全体」へ、です。
多様な先進技術を取り入れながらお客様の個別要望に応えるサービス・製品を作り続けるために、自社の能力だけに頼ることには限界があります。パートナーシップは事業の要となります。それは、経済的価値を追求するだけではなく、社会の基本的構造にも影響を与えるような価値観を共有し、業界の運営方法の変革をも共同で推進することを目指すレベルであると考えています。

ハードウェアからソフトウェアの時代を迎えた自動車業界において、今後業界ディスラプターとの厳しい競争をする上で、デジタル・テクノロジーをいかに駆使し、変革を推進できるかが鍵となります。

7月29日開催の無料オンラインセミナー「自動車産業がソフトウェアの巨大化の波を乗り超え勝ち抜くための戦略」では、5つのテクノロジートレンドの詳細や自動車業界が今すぐ取組まねばならない事をテーマに開催されます。 詳細はこちらから

《佐藤耕一》

日本自動車ジャーナリスト協会会員 佐藤耕一

自動車メディアの副編集長として活動したのち、IT企業にて自動車メーカー・サプライヤー向けのビジネス開発を経験し、のち独立。EV・電動車やCASE領域を中心に活動中。日本自動車ジャーナリスト協会会員

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