駅そばロボット進化版が稼働…券売機データと連携して高速化

日本初、ロボットアーム2本と人との協働調理。進化した「駅そばロボット」海浜幕張駅で本格稼働
  • 日本初、ロボットアーム2本と人との協働調理。進化した「駅そばロボット」海浜幕張駅で本格稼働
  • 進化した「駅そばロボット」(海浜幕張駅)
  • 進化した「駅そばロボット」(海浜幕張駅)

JR中央線・東小金井駅(東京都小金井市)に駅そばロボットが登場してから1年、「大幅に進化した」というモデルがJR京葉線・海浜幕張(千葉県千葉市)で動き出した。こんどの進化版は、日本初のロボットアーム2本モデルで、券売機とデータ連携。東小金井モデルから生産能力を3倍にしたという。

駅そばロボット進化版が実装されたのは、3月10日にJR京葉線・海浜幕張駅改札外でオープンしたそばいちペリエ海浜幕張店。店内に入ってみると、2本のアームロボットがウイーンウイーンと小さなサーボモータらしき音を発してくねくねと動いている。

そばいちnonowa東小金井店モデルからアップデートした点は、まずロボットアームを2本に増やし、東小金井モデルの3倍以上の生産能力をもたせたこと。この2本化で、駅そばロボット導入可能店舗が大幅に増えたという。

ロボットの動きは 正確で無駄がない。パレットに並べられた生そばをつかみ上げ、3つある茹でザルの中に順番に投入していく。3つのザルに入れ終わると、今度は2本目のアームロボットが茹で湯のなかにどぼんと入れる。

決められた時間で茹でが終わると、先ほどの2本目のロボットアームが湯からざるを持ち上げ、今度は冷水のなかに浸す。この洗いと締めが終わると、完了ブザーが鳴り、そこから先は人が介入。人員スタッフは、そこからどんぶりにそばを入れ、そばつゆを注ぎ、薬味を加えて客の前に出す。

こうした協働作業のなかで、ロボットと人がぶつかったりしないかという不安もある。そこは、エリアセンサーが感知し、人とロボットがぶつかりあいそうになるとスピードが半分に落ち、セキュリティを確保している。

2026年までに30店舗へ導入めざす

また、今回の海浜幕張モデルは、券売機とデータを連携することで、券売機で購入したと同時にロボットアームが動き出し、非接触・ジャストタイムで注文品の授受を実現させている。さらに3つのザルが用意されていても、1つしか注文が入らなくても、ロボットは最適なタイミングで動き始め、調理を開始するという。

「この海浜幕張モデルで、ピーク帯に従来4人いる従業員数をひとり減らせる。人材不足が深刻化するこの業界のなかで、この駅そば協働ロボットに期待している」と話すのは、JR東日本グループ駅構内などの飲食店・食物販店舗などを運営するJR東日本フーズ。

「今後は、うどんとそばといった、違う種類の麺類をいっしょに茹でられるシステムなども開発していきたい。いまはそば専門店だけへの展開を想定しているが、今後はうどん・そば店などへも導入できるようになるといい」

今回も、飲食業向けロボットサービスを研究開発・販売するコネクテッドロボティクスが駅そばロボットをアップデートし、JR東日本スタートアップ、JR東日本フーズ、千葉ステーションビルと協業で駅そばロボットの普及をめざす。

コネクテッドロボティクスは、駅そばロボット一本腕モデルを月額11万円から、二本腕モデルを月額25万円から、リース形式で提供する。また、うどん店やラーメン店パスタ店など、他業態への展開も視野に入れて展開する構え。JR東日本フーズなどは、今後も導入を推しすすめ、2026年までに、同社が運営する駅そば店舗30店への導入をめざすという。

《レスポンス編集部》

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