ベントレー、「ローテーションディスプレイ」の技術発表… フライングスパー 新型に採用

センターコンソールが回転し12.3インチのデジタルパネルが出現

各面をプラス/マイナス0.3mmの許容誤差で位置合わせ

最小の許容誤差を維持するために駆動システムが自己学習

ジェームズ・ボンドも誇りに思う?

ベントレー・フライングスパー新型
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ベントレー(Bentley)は6月17日、新型『フライングスパー』に採用された「ローテーションディスプレイ」の技術的ハイライトを発表した。

センターコンソールが回転し12.3インチのデジタルパネルが出現

ローテーションディスプレイは、ダッシュボードのセンターコンソールが回転し、12.3インチのデジタルタッチスクリーンとアナログメーターが付いたウッドパネルの面を切り替えできるシステムだ。

エンジンスタートボタンを押すと、ダッシュボード中央のウッドパネルが回転して12.3インチのタッチスクリーンが現れる。この時、カスタマイズ可能な3種類のウィンドウがタイル表示される。

ローテーションディスプレイをさらに回転させると、2つ目の面には外気温計とコンパスとクロノメーターといったエレガントなアナログメーターが3つ現れる。3つ目の面は、シンプルかつシームレスなウッドパネルだ。この時、デジタル表示が一切なくなり、周囲との一体感が増すという。ベントレー・フライングスパー新型ベントレー・フライングスパー新型

各面をプラス/マイナス0.3mmの許容誤差で位置合わせ

ベントレーのデザイナーとエンジニアは、ボタンを押すだけで職人技と最先端のテクノロジーを組み合わせられるようにすることに注力した。チームは専用のセンターピースを作成し、メインの12.3インチインフォテインメントタッチスクリーンに加えて、3つのアナログメーター、ベニアのウッドパネルのいずれかを選択できるようにした。

ベントレーのローテーションディスプレイは、最初のコンセプトから開発するまでに3年以上を要した。高い品質を実現するために、徹底的なテストが行われた。システムは153の部品で構成されており、革新的なメカニズムを備えた3面回転ディスプレイを構成する。ベントレーによると、特許申請中の技術により、各面をプラス/マイナス0.3mmの許容誤差で位置合わせできるという。

このレベルの精度を実現するために、ローテーションディスプレイのメカニズムには、専用の電子制御ユニット(ECU)によってコントロールされる高精細モーターと、リニアギアボックスドライブユニットを含む40の可動コンポーネントを採用している。

非常に狭いクリアランス(両側で0.5mm未満)を維持しながら回転させるには、3つの個別にリンクされた動作が必要になるという。最初の動きでユニットがダッシュボードに引き込まれ、ユニットがモーターを前方に戻す前に、2番目のステージが回転し、クリアランスを保つようにした。ベントレー・フライングスパー 新型ベントレー・フライングスパー 新型

最小の許容誤差を維持するために駆動システムが自己学習

プラス/マイナス0.3mmの許容誤差を維持するために、駆動システムは自己学習を行う。制御用のECUは、すべての展開位置でのメカニズムの物理的範囲を学習するだけでなく、インテリジェントな速度制御によりモーターの速度を変化させ、機械的摩擦の変動と影響を調整する。

システム内には、気温が50度までのあらゆる気候に対応してメインタッチスクリーン画面の性能を維持する2個のファンが組み込まれた。

また、法的な要件として、リバースカメラからの映像は、リバースギアを選択してから2秒以内に表示される必要がある。これはエンジニアリングチームにとって最大の課題のひとつだったという。2秒以内で映像がインフォテインメント画面に確実に表示されるように、ギアボックスからローテーションディスプレイのメカニズムへの通信信号を素早く送ることが求められた。

メインインフォテインメントディスプレイは12.3インチの高解像度タッチスクリーンだ。ユーザーインターフェースは、最新のスマートフォンような設計とした。メニューは、直感的に理解できるように構成されている。システムは、ドライバーの好みの機能(ナビゲーション、メディア、電話など)を表示できる3つのウィンドウを含むホーム画面を備えている。内蔵の近接センサーを使用してユーザーが画面に近づくと、メニューが自動的にポップアップする。ベントレー・フライングスパー 新型ベントレー・フライングスパー 新型

ジェームズ・ボンドも誇りに思う?

インテリアは、ラグジュアリーとイノベーションが盛り込まれたモダンなキャビンに仕上げた。スタイリッシュかつ個性的なインテリアには、新設計シートを採用し、シートレザーも15色用意される。ロアコンソールからフェイシアにかけては、「ベントレーウィング」のデザインが反映されている。

ダッシュボードからドアへとなだらかに続くウッドパネルが、広々とした空間を演出する。彫りが深くなったセンターベントを前後に配置し、収納スペースも確保した。モバイルフォンに便利な非接触式ワイヤレス充電と2箇所のUSBポートも装備されている。HDデジタルインストルメンタルパネルディスプレイをはじめ、後席乗員のためにはリモートコントロールタッチスクリーンが用意されている。

ベントレーは、ローテーションディスプレイについて、映画『007』シリーズのジェームズ・ボンドでさえ誇りに思うだろう、とコメント。1963年公開の『007』シリーズ第2作、『007 ロシアより愛をこめて』に、ベントレーがボンドカーとして起用されている。

《森脇稔》

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