UDトラックス クオン、1万8000台をリコール エンジンなど不具合で火災のおそれも

UDトラックス・クオン(参考画像)
  • UDトラックス・クオン(参考画像)
  • 改善箇所(Vロッド)
  • 改善箇所(プレヒータリレー)
  • 改善箇所(フロントおよびインターアクスルプロペラシャフト)

UDトラックスは5月19日、大型トラック『クオン』のVロッド、プレヒータリレー、フロントおよびインターアクスルプロペラシャフトに不具合があるとして、国土交通省にリコール(回収・無償修理)を届け出た。対象となるのは2017年4月28日から2019年12月25日に製造された合計1万8432台。

重ね板ばね式緩衝装置付大型トラックのVロッドについては、センタージョイント部ボールスリーブの表面加工が不適切なため、ボールスリーブとボールレース間の摩擦抵抗が大きくなるものがある。そのため、段差乗り越えなどの大きな変動等を繰り返し受けると、ボールレースが摩耗し、センタージョイントのハウジングが破損して、最悪の場合、走行安定性が損なわれるおそれがある。

改善措置として、全車両、Vロッドを対策品に交換する。対象車両は2590台。不具合は6件発生、事故は起きていない。

プレヒータリレーについては、エンジン冷間時に始動性を補助する吸入空気予熱装置にて、その防水・防錆加工時の脱泡が不十分なため、希に気泡が回路基板上に残存し、温度上昇によって気泡内で微少なガスが発生することがある。そのため、ガスによる化学変化によりリレー回路がショートし、常時通電状態となり、警告が表示され、最悪の場合、プレヒータリレーが過熱して焼損・火災に至るおそれがある。

改善措置として、全車両、リレーのアース配線にヒューズ(2A)付き配線を追加する。なお、配線の追加後に警告表示が出た場合は、プレヒータリレーを新品に交換する。対象車両は1万8386台。不具合は2件発生、一部焼損事故が1件起きている。

フロントおよびインターアクスルプロペラシャフトについては、ユニバーサルジョイントの製造管理が不適切なため、ベアリングカップ内にスラストワッシャーが組付けられていないものがある。そのため、ベアリングカップの遊動でシールが損傷し、潤滑不足でベアリングが焼付き、ユニバーサルジョイント部が破損して、最悪の場合、プロペラシャフトが脱落して走行不能となるおそれがある。

改善措置として、全車両、ユニバーサルジョイント部のガタを点検し、基準値を超えている場合は、プロペラシャフト一式を良品に交換する。対象車両は7074台。不具合は50件発生、事故は起きていない。

いずれも市場からの情報によりリコールを届け出た。

《纐纈敏也@DAYS》

【注目の記事】[PR]

編集部おすすめのニュース

特集