五里霧中の自動車8社---1月の世界生産8.8%減、新車販売も6.8%減[新聞ウォッチ]

ホンダ・インサイト(US仕様)
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気になるニュース・気になる内幕。今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析する新聞ウォッチ。…………

新型コロナウイルスの感染拡大による自動車各社で生産調整の動きが広がっているが、その影響がほどんどなかった1月でも、主要8社が発表した世界生産台数は前年同月比8.8%減の220万4000台。国内生産も3.2%減の72万6321台。きょうの日経などが取り上げているが、マイナスは6カ月連続で、消費税増税後の反動が大きかったとみられている。

1月の世界生産でマイナス幅が最も大きかったのはホンダで、19.1%減の38万5000台。日経によると「米国では多目的スポーツ車(SUV)の人気におされ、得意のセダンが売れない。インドでは排ガス規制の強化を受け、在庫調整のため減産した」と伝えている。

ホンダのほかに日産自動車も米国での苦戦などで18.7%減。トヨタ自動車はタイで新車が振るわず6.1%減だったという。

トヨタ自動車元町工場トヨタ自動車元町工場また、国内生産では、トヨタが消費税増税前の駆け込み需要の反動があり7.5%減の25万5629台。ホンダは不具合で生産を停止していた車種の影響で21.0%減の6万0657台。SUBARU(スバル)は昨年1月に部品不具合で国内工場を止めた反動で約2.3倍の大幅増となっている。

一方、きょうの朝日は1月の世界販売に焦点を当てた記事で、8社の1月の世界販売台数は約208万台で、前年同月より6.8%減。米国や欧州など主要市場の新車販売に減速感が出ており、8社すべてが前年割れだったなどと報じている。

繰り返すが、これらの各社の落ち込み台数は1月の実績であり、新型肺炎の影響は含まれていない。「各社とも今後の状況は見通せない」(毎日)としており、五里霧中のお手上げ状態がいつまで続くのかが気掛かりだ。

2020年2月28日付

●新型肺炎、全小中高の休校要請、週明けから春休みまで(読売・1面)

●テレワーク拡大課題も(読売・2面)

●新型肺炎、車各社広がる生産調整、中国部品調達滞り(読売・10面)

●世界株安止まらず、東証4営業日続落、ダウ一時900ドル安(朝日・1面)

●車世界販売台数、日系8社6.8%減、1月、欧米で減速感(朝日・9面)

●中日本高速2月通行台数4%減(朝日・9面)

●自動車鋼材の出荷調整、鉄連会長「中国の生産状況注視」(毎日・6面)

日産自動車栃木工場日産自動車栃木工場●日産の栃木工場来月3日に停止(毎日・6面)

●ガソリンの価格5週連続で下落(毎日・6面)

●車メーカーもマスク製造、中国政府が増産大号令、相次ぎ参入(産経・7面)

●ホンダ20万台リコール(東京・6面)

●主要企業調査、在宅勤務5割で実施、宴席自粛8割、出張は6割(日経・1面)

《福田俊之》

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