シートメーカー発! テイ・エス テックの「愛されるシート」とは

愛されるシートプロジェクトリーダーの郭裕之さんとモータージャーナリストのまるも亜希子さん
  • 愛されるシートプロジェクトリーダーの郭裕之さんとモータージャーナリストのまるも亜希子さん
  • ランニングアプリを行う郭さんとまるもさん
  • 座禅アプリで精神統一するまるもさん
  • センシング技術を搭載した「愛されるシート」
  • 真っ白な布地と木目調が印象的なデザイン
  • 大きくリクライニングさせることができる
  • シートとしての座り心地も最高だという
  • 愛されるシートプロジェクトリーダーの郭裕之さん「愛されるシートはこれまで約2800人の方に体験して頂きました。」

ホンダと共に成長してきたシートサプライヤー「テイ・エス テック」

ホンダ車の多くのシートを手がけてきたテイ・エス テック
明るいエントランスにピカピカのフロア、手入れされた緑が風にそよぐ中庭。取材に伺ったテイ・エス テックの技術センターは、そこで働く人たちの心意気がひと目でわかるような、とても気持ちのいい会社だと感じた。

その歴史は、もともとホンダの作業服を生産しており、1960年代に高い縫製技術を買われて二輪車用シートの生産を開始したところから始まった。ホンダの初代スーパーカブが爆発的ヒットとなり、それに伴って同社も生産体制を拡大。

テイ・エステック技術センター外観
その後、ホンダT360のシートなどから四輪車のシート生産も本格的に開始し、現在までに軽自動車からNSXまで、ホンダ車の多くのシートを手がけてきたのがテイ・エス テックだ。

創業当時から変わらない「安全・魅力・環境」のシート開発

テイ・エステックの技術が光ホンダステップワゴンのシートアレンジ
開発現場では、「安全・魅力・環境」の3つを軸に研究開発を続けてきた。例えば、1990年代に到来したミニバンブームで取り組んだのは「快適性の追求」だ。単に座っていて快適というだけでなく、家族みんなで楽しめる空間を創ることも快適性のひとつと捉え、さまざまな使い勝手を想定した多彩かつ機能的なシートアレンジを開発。

時には、世間をアッと驚かせるような飛び道具的なアレンジも実現してみせ、その技術とノウハウは欧州メーカーからも高く評価されるほど。フォルクスワーゲン・トゥーランのサードシートなどにテイ・エス テックのシートが採用されていることからもそれが窺える。

ホンダの軽自動車からスーパーカーであるNSX、ハイパフォーマンスモデルのタイプRシリーズまで様々なシートを手掛ける
また、環境面では軽量化もひとつの挑戦だ。試行錯誤の末に完成した初代NSXのオールアルミフレームのシートをはじめ、様々な軽量化技術がシビックタイプRのようなスポーツモデルからコンパクトカーまで、幅広く投入されている。さらに、最先端の衝突試験機をいち早く導入し、年間1000回を超える試験によって蓄積された安全性能も強みとなっている。

全く新しい視点から生まれた「愛されるシート」

センシング技術を搭載した「愛されるシート」
そして魅力の部分では、シートにいろいろな付加価値を創っていこうと、新しい視点でシートを考えることにも注力する。将来の自動運転化社会を見据えて、座ることによって人の身体の状態をセンシングする技術なども含め、シートの魅力、可能性を再定義していこうという取り組みだ。

大きくリクライニングさせることができる
そのひとつに、今回体験させていただく「愛されるシート」がある。「新しい商品を創る」ことを目的に、次世代のテイ・エステックを担う社員で構成された、社長発令のプロジェクトから誕生したという「愛されるシート」とは、いったいどんなものなのだろうか。プロジェクトリーダーを務めた郭 裕之さんにお話を伺った。

まるも「愛されるシートは、座った人が自然と笑顔になるそうですね」
郭「そうなんです。実はシート本体のことではなく、いろいろな椅子やシートに取り付けられる新しいシステムを『愛されるシート』と名付けました。当社が長年培ってきた自動車用シート技術とIoTを融合させて、座った人をセンシングし、動きなどの情報を見える化することができるだけでなく、椅子やシートをスマートフォンなどのアプリケーションと連動したコントローラーにすることで、これまでにない新しい楽しみ方を提案しています」

愛されるシートプロジェクトリーダーの郭裕之さん「世の中に技術を出すことによってアイデアを出してくれる人が現れる。」

実際に「愛されるシート」でゆるスポーツを体験

まるも「例えば、この『愛されるシート』にはどんな楽しみ方がありますか?」
郭「まるもさんは、『ゆるスポーツ』ってご存知でしょうか」

まるも「はい、知ってます! 年齢も性別も、障害のあるなしも関係なく、みんなが一緒に楽しめるようにと考えられた、ちょっとユーモアあふれるスポーツですよね。ずっと、トライしてみたいと思っていたんです」
郭「その『ゆるスポーツ』に、愛されるシートを活用した、誰もが座ったままで楽しめる『緩急走(かんきゅうそう)』という競技ができたんです。今日はぜひ、一緒に体験していただこうと思って、シートを用意しました」

まるも「えっ、いいんですか?」
郭「もちろんです。最初に、愛されるシートでできる基本的なプログラムとして、『座禅』から練習してみましょうか。これは座った人の体の揺らぎをセンシングしていて、バランスよく保つと画面にある的(まと)のちょうど真ん中に球体が表示されます。体が左右に傾いたり前後に揺れたりすると、画面の球も的から外れていってしまいますから、動かないように。最後に結果を体幹年齢としてお知らせしますよ。」

座禅アプリで精神統一するまるもさん
まるも「あっ、ほんとだ! これ意外と難しいですね。自分ではバランスよく座っているつもりなのに、なかなか真ん中に球がこない。えっ、終わってみれば私の体幹年齢は70代って……。かなりショックなんですけど(笑)」
郭「ほら、もう笑顔になっていますよ。でも、心配しないでください。体幹年齢はあくまで参考です。今後精度を上げていこうと今取り組んでいるところなんです。次は、足を動かすことで画面上のバーチャルランナーが走ってくれる『ランニング』で100m走をやってみましょう。これは、スタートしたら足をなるべく速く、リズミカルに動かすのがコツです」

まるも「よーし、今度こそ! え、モモをなるべく高く上げた方がいいんですか? けっこうちゃんとスポーツなんですね。自然と腕も動くので、座ってるのに全身運動になっている気がします」
郭「はい、ゴールです! タイムは10秒46、なかなか速いですよ。通信で世界中の人と競うことができて、ランキングも出るんです」

ゆるスポーツ協会公認の『緩急走(かんきゅうそう)』に挑戦!

ランニングアプリを行う郭さんとまるもさん
まるも「いや~、これは楽しい!」
郭「ではいよいよ緩急走をやってみましょう。これは『座禅」の時のようにじっと動かない区間と、『ランニング』の足を動かす区間の両方で競うことで、みんなが『イスリート』になれるんです」
まるも「なるほど、アスリートならぬイスリート(笑)。よし、郭さんと勝負ですね」

―――結果は、2回戦行い郭さんの2連勝。

まるも「もうちょっとだったのに、悔しい! でもこれは、座ったら誰もが自然と笑顔になる、ということが本当によくわかりました。何度でも座りたくなるし、みんなに“座ってみなよ”って勧めたくなりますね」
郭「そのひと言が何より、私たちとって嬉しい言葉です。名前のようにシートを愛してもらうためには、“移動のために座る”ではなく、“楽しむために座る”に変えたかった。また座りたい、と思われるシートにしたかったんです」

まるも「そういう意味で、この緩急走はこれまでにない新しいシート体験なので、誰もが”シートってこんなに楽しいことができるんだ!”ってビックリするんじゃないでしょうか。こんなシートが自分のクルマについていたら、もっとドライブが楽しくなるのにって考える人も多いと思いますよ」

誰もが笑顔になれる「愛されるシート」で座るを楽しむ未来

愛されるシートプロジェクトリーダーの郭裕之さん「愛されるシートはこれまで約2800人の方に体験して頂きました。」
郭「愛されるシートを、これまでに約2800人の方に体験してもらったのですが、楽しいという声をたくさんいただいて、中にはどこで売ってるんですか、と興味を持ってくださる方もいらっしゃいました。まずはこうして『座るを楽しむ』という概念を広げていきたいですね。

スマートフォンやDVDなどの車内エンターテインメントがなかった時代には、クルマの中で家族みんなが一緒に景色を見たり、歌を合唱したりして楽しみましたよね。そんなコミュニケーションを作ることも愛されるシートの役割のひとつだと思っています。そしていつか、ディーラーに来たお客様が、『テイ・エス テックのあの楽しいシート、ついてないんですか?』って聞いてくれるようになったら成功ですね」

まるも亜希子さん「座ったら誰もが自然と笑顔になることが良く分かりました。」
まるも「確かに、ただ座るだけのシートよりは絶対に愛されるシートの方が魅力的。イライラしがちな渋滞中でも、車内で緩急走でワイワイ盛り上がってる、なんて最高ですよね。うちは4歳の娘がいるんですが、いつも『ママばっかり運転してズルい』って言うんです。自分もハンドルを握って運転したいみたいで(笑)。だから、愛されるシートで助手席や後席の人も一緒に運転してる気分になれるものを、ぜひ開発してください」

郭「そのアイディアいいですね。世の中に新しい技術を提案することによって、こうやってアイディアを持ってきてくれる人がいるので、愛されるシートには『ひとと人を巡り合わせる(=仕合わせる)メディア』としても重要な役割を持っていると感じています」

取材は栃木県にあるテイ・エス テック技術センターの緑豊かな屋外で行われた。
まるも「なるほど。本当に、まだまだいろんな可能性を秘めていますね」
郭「そうなんです。自動車のシートに限らず、ヘルスケアの分野だったりエンターテインメントや観光であったり、ペダルの踏み間違い事故などを防ぐ安全運転トレーニングにも活用できるかもしれません。クッションのように持ち運べるものがあってもいいですよね。社会貢献や地域活性にも役立てて、もっともっとたくさんの人たちに笑ってほしいと思います」

テイ・エス テック「愛されるシート」は東京モーターショーに出展

まるも「そんな愛されるシートは、10月24日に開幕する『東京モーターショー2019』でテイ・エス テックのブースに出展されるんですよね?」
郭「はい。当社ブース以外にもお台場MEGA WEBのFUTURE EXPOの中で、未来を体感できるコンテンツとして出展予定です。実は今回、まるもさんに座っていただいたシートは、東京モーターショーに出展する現物なんですよ」

愛されるシートプロジェクトリーダーの郭裕之さん「自動車用シート技術とIoTを融合させたのが愛されるシートです。」
まるも「え~~っ! そうなんですか! スミマセン、先に座ってしまって(笑)。でも座り心地がすごくいいし、木目を使ったデザインもステキです。きっと、会場内でも目を惹くでしょうね」
郭「ありがとうございます。ぜひ、多くのお客様に愛されるシートをご体感いただきたいです」
まるも「たくさんの笑顔があふれること間違いなしですね。私もガイドツアーをしますので、ブースにお邪魔してひとりでも多くの方にご紹介したいと思います」
郭「お待ちしています!」

テイ・エス テックは東京モーターショー2019の東京ビックサイト南4ホール、ブース番号S4202とお台場MEGA WEBのFUTURE EXPOに出展している。

テイ・エス テック東京モーターショー2019特設サイトはこちら

《まるも亜希子》

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