一枚岩ではないSUV! 流行りに流されない個性にあったクルマ選び…RAV4、CX-5、エクリプスクロス

一枚岩ではないSUV! 流行りに流されない個性にあったクルマ選び…RAV4、CX-5、エクリプスクロス
  • 一枚岩ではないSUV! 流行りに流されない個性にあったクルマ選び…RAV4、CX-5、エクリプスクロス
  • トヨタ RAV4(ハイブリッド)
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単なる流行りではなく一つの時代の流れを作っているSUV。その多機能性や実用性は確かに他の車種と比べて一線を画している。しかし、単なる流れに乗って選んでしまっては、あまりにも味気ないもの。そこで、ガソリン・ハイブリッド・ディーゼルと動力別に個性豊かなSUVを比較してみた。

個性にあったSUV選び

ますます勢いを強めている昨今のSUVブーム。いや、これが一過性のブームでないことはもはや明らかだ。SUVは着座位置が高いので運転席からの見晴らしがよく、室内高に余裕があるので狭苦しい印象がない。なによりもオフロード的な外観が遊び心をくすぐるところが人気の秘密なのだろう。おかげで様々なサイズのSUVが各メーカーから出揃っているうえ、最近ではパワープラントのバリエーションも増えてきた。

そこで今回は、ハイブリッドエンジン搭載のトヨタ『RAV4』を軸にしつつ、日本車メーカーとしていち早くクリーンディーゼルに取り組み始めたマツダ『CX-5』、そして直噴ターボガソリンエンジンを積んだ三菱『エクリプスクロス』の3台を揃え、それぞれの個性を解き明かすことにした。

デザインとは裏腹に優しいRAV4

トヨタ RAV4(ハイブリッド)

まずはRAV4。乗り始めてすぐに感じるのは、トヨタ車らしい室内の静けさと滑らかな乗り心地。もっとも、ふた昔も前の製品と違い、最近のトヨタ車は足腰が実にしっかりしている。RAV4にしても、優しい手触りの奥に力強い筋肉が存在しているかのような足回りで、ロールやピッチと呼ばれるボディの無駄な動きは意外と少ない。全般的に良質な乗り心地でボディ剛性も十分に高いが、唯一、タイヤが素早く上下するような振動ではダンピングが薄れるのか、スムーズさ失われる傾向が見られた。

ハイブリッドの走り出しは例によって極めて滑らか。いわゆるシフトショックがないうえに、モーターの仲介によりエンジンの始動・停止に伴うショックが一切伝わらない点も好ましい。加速感にしても、アクセルペダルをしっかり踏み込めばモーターの助けを借りて驚くくらいのダッシュを示してくれる。トヨタのハイブリッド特有のラバーバンド感(加減速にダイレクト感が乏しく、どこかゴムバンドが伸び縮みしているような印象をもたらすこと)はずいぶん改善されたものの、それでも残っていないこともない。だから、ワインディングロードを攻めるのが好きなスポーツ派ドライバーは不満を覚えるかも知れないが、市街地や高速道路をゆるゆる走る範囲でいえば問題ないだろう。

3台中、全長と全幅がもっとも大きいことも手伝って室内スペースは余裕たっぷり。運転席に腰掛けると、特に幅方向が広々しているように感じる。荷室の広さも3台中随一で、私の肘から先の腕の長さを1とすると、奥行きは2.7で幅は3.7だった。特に幅方向については、両サイドの壁のえぐれ部分が大きいのでゴルフバッグも横向きに積めそうだ。

燃費は首都高速が8割、市街地が2割の比率で23.6km/Lをマークした。こちらも他の追随を許さないトヨタ・ハイブリッドの強みと言えるだろう。

洗練された本格派のCX-5

マツダ CX-5(ディーゼル)

かなり男性的でゴツイ印象のRAV4に比べると、魂動デザインを採用するマツダの2代目CX-5はきわめて流麗で未来的でさえある。ボディパネルのクオリティ感にここまでこだわっている日本車メーカーもほかにないだろう。それはインテリアも同様。よく整理されたデザインゆえに派手さはないものの、よくよく見れば素材のよさや細かい部分まで手を抜かずに作り込んだ精緻さが伝わってくる。RAV4のインテリアもクォリティは悪くないが、CX-5はそのさらに上をいっており、ヨーロッパ車と見比べても遜色ない。メーターやディスプレイのレイアウトにも工夫をこらし、優れた視認性を実現している点も高く評価できる。

ヨーロッパ車並みの洗練度を備えているのは足回りの仕上がりも同様。基本的な乗り味はRAV4に似て「最初柔らか、後がっしり」だが、RAV4と違って速い周期の振動が入ってもスムーズに追随するしなやかさも持ち合わせている。おまけにステアリングの正確さも文句なし。完成度は高い。

アイドリング付近では軽い振動を伝えるディーゼルエンジンも、走り出してしまえば静かで滑らか。アクセルペダルを踏み込んだ瞬間の弾けるようなダッシュ力こそないが、右足の踏み込み量ときれいに正比例したパワーを素直に生み出してくれるので扱い易い。スムーズにどこまでも加速する伸びやかさも、これまでのディーゼルエンジンにはあまり感じられなかったもの。しかもディーゼルにもかかわらず最高出力は3台中最高の190ps。最大トルクはライバルたちの2倍近い450Nmを生み出す。走りに余裕があるのは当然だ。ただし、アイドリングストップが効いた後で再始動する際のブルンッという振動はちょっと興ざめ。裏を返せば、弱点はこれと前述したアイドリング振動くらいとも言える。

室内の広さはRAV4と同等。ただ、ボディ上部が幅方向にすぼまった“タンブル形状”を採用しているせいか、幅方向の広々感はRAV4に一歩譲る。荷室の広さをRAV4と同じ方法で計測したところ、奥行きが2.4、幅が3.8と出た。おおむねRAV4なみだが、幅についていえば壁のくぼみは決して大きくなく、ゴルフバッグが横に積めるかどうかは疑問。もっとも、ゴルフ以外の用途でいえばRAV4と同等の荷室スペースだ

私の拳を規準に計測した後席の広さは、膝まわりが2.0で頭上が1.0。RAV4はそれぞれ2.8と1.3だったので、一歩及ばなかったと評価すべきだろう。

燃費は17.2km/Lとまずまず良好。ガソリンと軽油の価格差を考慮すれば、同じ距離を走るのに必要な燃料代はRAV4の15%増し程度になるはずだ。

意のままに操れるエクリプスクロス

三菱 エクリプスクロス(ガソリン)

最後にエクリプスクロスに乗り換えると、RAV4とCX-5とは別次元の機敏さ、レスポンスのよさに驚かされる。ステアリングやスロットルのちょっとした操作にも鋭敏に反応するその様は、まるでスポーツカーのよう。しかも乗り心地は優れたボディの剛性感にも助けられて悪くない。これでRAV4やCX-5のようなフラット感を手に入れれば言うことなし。

エクリプスクロスの走りが軽快な理由は、そのボディサイズにもありそうだ。全長は16cm以上、全高は4~5cmほどライバルより小さく、車重はおよそ150kgも軽い。この影響により室内スペースは限られていて、運転席では特に幅方向がコンパクトに感じられます。もっとも、これはあくまでも比較した場合の話で、絶対的には狭いとは感じない。後席スペースは頭上こそ0.5と余裕はないですが、膝まわりは2.0でCX-5と同等。荷室は奥行き2.0、幅3.5で、やはりライバルには及ばないものの、ボディサイズの差を考えれば健闘していると言っていい。

ただし、室内のクオリティ感には弱点がある。メーターディスプレイやスイッチ類なども、一時代前のデザインや操作方法で、この辺に高い感度を持つユーザーには敬遠されるかもしれない。

私自身は、燃費が良好で室内が広いRAV4はオールラウンダー、ヨーロッパ車並みの走行性能を持つCX-5は高速クルージングでもっとも光り輝き、軽快なレスポンスのエクリプスクロスはワインディングロード向きと感じた。いずれにしても、3台が個性豊かでわれわれに選ぶ喜びをもたらしてくれることだけは間違いないだろう。

《大谷達也》

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