「実はラウンドオブ14のとき、心臓が止まるかと思った。ちょっともうだめかなって思う瞬間もあったけど、あのラウンドオブ14で敗者復活できたのがすごくラッキーだったし、このレースにはなにか特別な、地元・日本のいろいろなエネルギーが働いたんじゃないかと思う。そのエネルギーのおかげで、モチベーションを上げながらその後のレースにも臨めた」(室屋)
◆室屋、ホールの年間総合優勝を称えて

「年間総合優勝もほしいという気持ちは間違いなくあった。でも、このエアレース界でずっといっしょに活躍してきたマット・ホールが年間総合優勝を獲得できて、ほんとうにうれしかった。自分はベストを尽くしたうえで、1ポイント差で年間総合優勝を逃したけど、マットが初めて年間チャンピオンになれたこともうれしく思っている」(室屋)
◆最年長のカービー・チャンブリスが2位に

「過去に予選最下位から優勝した経験もあるから、しっかり準備すれば勝ちを引き寄せられるという気持ちで今回のレースに挑んだ。いまこの場にいることをうれしく思う。これまでエアレースを経験してきて、とくにテクノロジーの進化を身をもって感じてきたた。最初に挑んだレースが2位、そして最後の最後、この千葉大会でも2位っていうことで、なにかの縁を感じている。ありがとう」(チャンブリス)
◆ホールは最初で最後の年間総合優勝

「シナリオはいろいろあったけど、きょうの千葉大会決勝では、そうした考えをやめた。レース途中で『室屋が1位にいて、自分が表彰台3位までにいれば、年間総合優勝を獲得できる』といわれた時点で、自分は優勝ではなく3位以内の表彰台を狙うことにした」(ホール)
◆感無量のホール、みんなに感謝

さらに、年間総合優勝トップを狙ってひた走ったマルティン・ソンカ(チェコ)は、ことしのレースを振り返り、「チーム一丸となって毎年、年間総合優勝を狙ってきて、どこよりも速いチームだと自負している。今回の千葉大会ではその結果を残せず、優勝を逃してしまった。ぼくがチームにビールをおごらないといけない。とにかく、このチームに感謝している。成績は非常に満足している」と語った。
◆室屋46歳、新しいチャレンジできる場があればいい

「これまでの自分の活動を帰ることはないし、自分自身のチャレンジについても、これからまた考えていきたい。きょう、レッドブル・エアレースが終わったばっかりだしね。また、なにか新しいチャレンジできる場があればいいなと思う」
「レッドブル・エアレースは、空のモータースポーツという世界に大きなインパクトを与えてくれたと思っている。これまで、飛行機や空の世界とまったく縁のなかった人まで、この航空スポーツの世界を知ってもらう機会をくれたことに感謝している」
地元・日本開催で見事、敗者復活から優勝を決めた室屋義秀。三次元モータースポーツパイロットの46歳は、仕事を終えてひとこと、こうつぶやいた。
「まあ、レッドブル・エアレースの最終戦も終わったってことでね。ビールぐらい飲んでもいいんじゃないかって、思うね」