札幌駅に新タワービル、快速『エアポート』の7両化、2両ワンマン電車の検討…経営自立へ向けたJR北海道の中長期計画

毎時5本化や7両化が計画されている快速『エアポート』だが、千歳線白石~新札幌間において札幌貨物ターミナル駅を出入りする上り貨物列車が下り線を渡る関係で、次の下り列車が通過できるまで5分程度を要する問題があること、千歳線では8時台、16~17時台に増発余力がないという問題点があり、増発にはこれらの解決が課題となる。この721系も遅くとも2024年度までには『エアポート』から姿を消す模様。
  • 毎時5本化や7両化が計画されている快速『エアポート』だが、千歳線白石~新札幌間において札幌貨物ターミナル駅を出入りする上り貨物列車が下り線を渡る関係で、次の下り列車が通過できるまで5分程度を要する問題があること、千歳線では8時台、16~17時台に増発余力がないという問題点があり、増発にはこれらの解決が課題となる。この721系も遅くとも2024年度までには『エアポート』から姿を消す模様。
  • 観光列車への取組みの一環として、小樽・倶知安経由の特急『ニセコ』の運行期間拡大が検討される。同列車が停車する倶知安駅やニセコ駅の周辺は、近年、外国人の長期滞在者が増加しており、函館本線小樽以西の輸送改善が課題となっている。
  • 2018年2月に試作車1編成が登場したH100形気動車。電気式を採用することで液体式だった従来のキハ40形よりメンテナンスコストの削減が期待される。2019年度から順次各線区へ導入され、ワンマン機器が多言語化されるという。2019年1月撮影。
  • 北海道新幹線札幌開業時の所要時間イメージ。札幌から函館までは1時間圏になると試算されている。
  • 北海道日本ハムファイターズが2023年春に札幌ドームから移転する「北海道ボールパーク」(仮称)の位置とその完成予想図(左)。JR北海道では北広島駅を整備する方針としているが、ボールパーク最寄りに新駅を設ける検討も進めるとしている。
  • これまでは気動車のみだったワンマン列車だが、今後は電車列車も2両編成単位で検討されている。現在、苫小牧~室蘭間を中心に運行されているキハ140形の普通列車を置き換えることを想定していると思われる。
  • JR北海道の「当社単独では維持困難な線区」の取り組みは、中期計画に入る第1・2期集中改革期間における喫緊の課題で、赤線と茶線の線区については「鉄道よりも便利で効率的な交通手段への転換」を推進、黄線の線区については「鉄道を持続的に維持する仕組みの構築」を行なうとしている。茶線の新夕張~夕張間は4月1日に廃止済。赤線の北海道医療大学~新十津川間は2020年5月7日の廃止が予定されている。
  • 札幌駅新幹線口開発のイメージ。現在のJRタワーに隣接する形で新タワービルが建てられ、JRタワーのリニューアルや札幌駅の「エキナカ」開発なども行なわれる。

JR北海道は4月9日、「JR北海道グループ長期経営ビジョン・中期経営計画・事業計画等」を発表した。

長期経営ビジョンは、国からの監督命令に基づき、.北海道新幹線の札幌開業を機に経営自立を目指すとする、2031年度までの長期計画を策定したもの。

これによると、2031年度までは約210億円の減益要素を見込んでいるものの、鉄道事業では札幌圏での増収、維持困難線区への対応、資材調達コストや工事費などの削減、業務の効率化などを図る一方、札幌駅新幹線口の新タワービル建設やホテルなど関連事業を推進し、約190億円の収支改善を図るとしている。

鉄道事業では、北海道新幹線で320km/h走行による東京~札幌間4時間30分に挑戦するとしており、貨物列車と線路を共用している青函トンネル内の問題などを抜本的に解決したいとしている。

札幌圏では新千歳空港アクセスを一層強化し、快速『エアポート』では、2020年春のダイヤ改正では毎時5本化、2023~2024年度にクロスシートの721系電車をロングシートの733系電車にすべて置換え、定員増を図るとしている。

このほか、鉄道設備監視の自動化、「高精度測位を活用した無線通信列車制御」による地上設備の簡素化、線路設備モニタリングシステムや車両検修業務の刷新に伴なう苗穂工場の建替え、運賃・料金決済のキャッシュレス、チケットレス化などを図るとしている。

一方、2023年度までの中期経営計画では、2020年度までの北海道新幹線のさらなる高速化、2023年春に予定しているプロ野球・北海道日本ハムファイターズの本拠地移転に伴なう千歳線北広島駅の改修や新駅の検討、快速『エアポート』の7両化、新千歳空港駅のスルー化の検討などを行なうとしている。

観光列車の取り組みも開始し、他社車両による運行や多目的車両の新造のほか、札幌~函館間を毎年9月を中心に小樽・倶知安経由で運行している臨時特急『ニセコ』の運行期間を拡大することを検討するとしている。

このほか、2022年度までに函館~札幌間の特急『北斗』をすべて261系化、2019年度にQRコードによる乗車券類の発売を実施。駅での切符の購入を不要とするチケットレスサービスを検討するとしている。

コストの削減も図られ、2018年12月以降順次導入されている「話せる券売機」ことアシストマルスの拡大、2両編成のワンマン電車新製の検討、分岐器検査装置の導入、貨物列車走行線区におけるコスト削減の検討などを行なうとしており、北海道新幹線では青函共用区間で2020年度までにロングレール運搬車を導入、トンネル検査車などによる検査業務の機械化、車両着雪除去作業の省略化の検討などを行なうとしている。

《佐藤正樹(キハユニ工房)》

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