住民税にあれが含まれる!? ナビタイムが描く MaaS 普及後の移動・暮らしとは

ナビタイムの MaaS にむけた取り組み・ビジョン
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ナビタイムが描く MaaS は、いまどこを走ってて、どこへむかうか。「MaaS のその先に実現したい社会を描くことが必要」という同社 MaaS 事業 森雄大部長は、MaaS 普及時代の移動・旅・暮らしのヒントを「モビリティ勉強会」(3月28日開催)で教えてくれた。

まず MaaS とは。MaaS は「飛行機や電車、バス、カーシェアなど、さまざまな形態の輸送サービスを、必要に応じて適宜・適時選べるひとつの移動サービスに統合したもの」。

MaaS が普及すると、都市部の渋滞解消、環境負荷の軽減、地方の交通手段維持、公共交通機関の収入増、公共交通機関の運営効率向上、検索・予約・乗車・決済のワンストップ化、家計負担の軽減、交通費精算の簡易化などが期待されている。

レベル4が「社会全体目標の統合」へむけて

グローバルでみる MaaS は、レベル0からレベル4までの5段階でわけられている。レベル0が移動ごとに個別対応する「結合なし」、レベル1が「情報の結合」、レベル2が「予約・支払いの結合」、レベル3が「提供するサービスの統合」、レベル4が「社会全体目標の統合」という具合。

ナビタイムは、レベル1で計量計画研究所や日本総合研究所から評価を得て、GoogleやUberに並ぶ存在感を持ち合わせている。また同社はレベル4の領域で、2018年7月に開催される隅田川花火大会にあわせ、会場周辺駅の混雑状況を分析しリアルタイムな混雑状況を提供する混雑予報サービスをナビタイム上で展開した。

「生活者と旅行者の幸福な共生」をめざす

ではナビタイムは、どこへむかっているか。日本はいま、人口減少・訪日外国人増加という相反にあるなか、地方に目をむけると、高齢者による交通事故件数の増加、過疎地の公共交通空洞化などの課題がある。また観光地ではオーバーツーリズム(観光公害)などの問題も山積している。

ナビタイムジャパンは、「自社の MaaS にむけたビジョン」について、ナビタイムジャパン MaaS 事業 森雄大部長こう伝えている。

「日本型 MaaS の目的は『生活者と旅行者の幸福な共生』。利用者中心主義のもとモビリティサービスをパッケージ化し、生活者・旅行者全体でモビリティとコストをシェアできる仕組みを設計する。交通事業者をはじめパートナーとともに『生活者の快適な暮らし』と『旅行者のすてきな観光』の両方の実現をめざす」

点から線、線から面へ…モビリティサービスの連携

その具体的な設計図は3段階。点から線へ、線から面へというフェーズを描いている。「点の MaaS」は、住居・ホテル・オフィス(=点)などの料金に、モビリティサービス利用料が含まれるというイメージ。不動産事業者がモビリティサービス事業者と提携し、利用料金アップと顧客定着率向上を図っていく。いっぽう利用者は、クルマを所有しなくなることで、都市部の生活者の支出はおさえられるほか、利便性向上で観光利用者も増えると期待できる。

次に「線の MaaS」。定期券やフリーパス券(=線)などの料金にモビリティサービス利用料が含まれるというイメージ。利用者はこの連携で行動範囲が広がり、土地の価値も上がることから、鉄道事業者の運賃収入と不動産収入が増加。生活者の交通費は減り、利便性が向上しやはり観光客も増加すると期待できる。

その次が「面の MaaS」。こんどは住民税や都市1日フリーパス券(=面)の料金にモビリティサービス利用料が含まれるというイメージ。過疎地はオンデマンド交通の充実(タクシー共有など)、都市部はシェアリングサービスの充実(カーシェア共有など)で、住民の満足度が高まり、同時に旅行者の流入を最大化させる。これにより税収が増加し、住民の満足度も向上。ひいては旅行者も増加すると期待する。

ナビタイムはこうしたビジョンを具現化するのに、「サービスとしての移動はあくまで手段、MaaS のその先に実現したい社会を描くことが必要」と伝えていた。

《大野雅人》

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