九州・長崎で走る元東北、関東の路面電車が引退…大正、昭和生まれの3両 3月30日限り

1956年に廃止された箱根登山鉄道小田原市内線で使用されていた150形151号。大正時代の1925年に王子電気軌道(東京都電荒川線の前身)400形として服部製作所で製作され、東京都電を経て、1952年に箱根登山鉄道へ。1957年2月に長崎入りした。
  • 1956年に廃止された箱根登山鉄道小田原市内線で使用されていた150形151号。大正時代の1925年に王子電気軌道(東京都電荒川線の前身)400形として服部製作所で製作され、東京都電を経て、1952年に箱根登山鉄道へ。1957年2月に長崎入りした。
  • 元東京都電杉並線で運行されていた700形701号。1955年にナニワ工機(現・アルナ車両)で製造され、杉並線時代は2000形を名乗っていたが、都電の路線縮小により1969年7月に長崎入りした。杉並線は軌間1067mmだったが、1962年の杉並線廃止後は軌間1372mmの都電本線へ転出。長崎電軌は軌間1435mmのため、異なる3つの軌間で運行された希有な車両でもある。
  • 1976年3月に全廃された仙台市電から長崎入りした1050形1051号。1952年7月に新潟鐵工所(2007年に解散)で製造された。仙台時代は80形、100形を名乗っていたが、長崎入りした際は、仙台の「仙」にちなんだ1000と、昭和50年代に長崎で運行を始めたことにちなんだ50を掛け合わせ1050形とされた。元仙台市電の車両としては唯一の現役車。

長崎県長崎市の長崎電気軌道(長崎電軌)は2月1日、他事業者から譲渡された150形151号、700形701号、1050形1051号の3両が3月30日限りで引退することを明らかにした。

長崎電軌では「動く電車の博物館」として、自社以外の歴史的な車両を導入し、動態保存を行なってきた。今回引退することになった151号は元箱根登山鉄道、701号は元東京都電、1051号は元仙台市電の車両で、イベント用に使用されていたが、「動態保存の維持管理が困難になったため」として引退の運びとなった。

これに伴ない3月9日は151号、3月16日は701号、3月23日は1015号のさよなら運行を、各日午前と午後にそれぞれ3号系統~2号系統のルートで実施する。時刻は浦上車庫10時発~長崎駅前10時16分発~蛍茶屋10時26分着・10時34分発~出島10時52分発~浦上車庫11時11分着・14時55分発~長崎駅前15時11分発~蛍茶屋15時21分着・15時30分発~出島15時46分発~浦上車庫16時05分着。

また、最終日となる3月30日にはさよなら撮影会とパレード運行を行なう。さよなら撮影会は10時から12時まで浦上車庫で開催され、参加には3月8日17時まで長崎電軌のウェブサイトでの申込みが必要。

パレード運行は浦上車庫14時00分発~長崎駅前14時15分発~市民会館14時19分発~蛍茶屋14時26分着の時刻で行なわれ、1051号、701号、151号の順に走行するが、市民会館以遠では3両続けての運行が困難になるとしており、蛍茶屋到着後は続行運転が行なわれず、3両が随時運行され浦上車庫に入庫する。

《佐藤正樹(キハユニ工房)》

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