大型商用車にも電動化の波、ごみ収集車やショベルカーも…ハノーバーモーターショー2018

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ボルボ ごみ収集車
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「第67回IAAコマーシャル・ビークルズ(商用車)」、通称ハノーバーモーターショーには乗用車と同様に安全、高効率、自動運転と言う自動車業界の「メガトレンド」に沿ったトラックやバス、および商用車向けの関連技術が多く出展されている。

製品の性格上、乗用車のモーターショーよりもトレードショー(業界向けの展示会)の色合いが濃く、比較的地味で日本での知名度も低いハノーバーショー。しかし、バスやトラックメーカーおよび取引のあるサプライヤーは、世界最大級の見本市に気合が入っている。

近年では、乗用車のモーターショーが開催されるたびに「EVシフト」がことさら強調して報道され、100%電動の電気自動車(EV)がまもなく主流になるかの様な印象を受けるケースもある。現実的には内燃機関(エンジン)を使用するクルマが乗用車を含めてもまだまだ主流ではあるが、CO2排出量の削減が世界的な課題である以上ゼロエミッションに向けた取り組みは今後さらに加速していくだろう。

電動化モデルはほとんどのブースに


300平方キロ近くの展示会場の全てをご紹介する事はできないが、駆け足で主だったメーカーのブースをまわっただけでも、そのほとんどが電動化モデルを出展していた。

地元ドイツの雄、ダイムラーでは、おなじみの「スリーポインテッド・スター」の真上に「100% electric」の文字が誇らしげなトラックが中央に鎮座していた。総重量18トンと25トンのEVトラック10台が、既に街中での実証実験を行っているそうだ。キャパシティ240kWhのバッテリーにより、およそ200キロの走行が可能で、食料品などの都市内における輸送用途には問題が無いと胸を張る。

オランダの大手DAFも、プロトタイプではあるがEVトラックのワールドプレミア(世界初公開)を行った。最大出力250kWのモーターを搭載した19トントラックは、222kWhのリチウムイオン電池によって一回の充電で最長220キロの走行が可能との事だ。同社では、現実的に実現可能なソリューションとして、ハイブリッドタイプも合わせて出展していた。

あらゆる車種への展開を示唆


その他、ボルボトラックとルノートラックというお国柄のかなり異なる2社が、そろってEVのごみ収集車を展示していたのは興味深かった。CO2の排出量削減や騒音の防止は特に大都市部で重要な課題となり得る。それに対するソリューションとして、ごみの収集車両をEV化するアイディアは優れものではないだろうか? 長距離走行の性能もあまり要求される事はなく、航続距離も大きな問題とはならないだろう。

「未来は電気(THE FUTURE IS ELECTRIC)」のキャッチコピーがボディにペイントされたe FUSOの『ビジョン・ワン』、イタリアのIVECOの市内交通用電動バスなど大型バスの世界にも電動化は確実に訪れていた。最後に、ボルボのブースには、電動のパワーショベルも展示されていた。商用車、特に大型の電動化は重量や長距離走行のニーズなどもあり、一朝一夕には進まないだろう。乗用車で言われる事の増えてきた「EVシフト」がすぐに起きる事はない分野ではあるが、トレンドは電動化に進んでいる事が実感できた。

《石川徹》

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