気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。
2018年4月3日付
●カジノ「上限3カ所」自公合意、入場料は再協議(読売・1面)
●景気先行きへ慎重、日銀短観(読売・7面)
●再起・変革期待の新人、入社・入省式(読売・7面)
●陸自イラク日報一転確認、防衛相発表、国会では「ない」(朝日・1面)
●国内新車販売2年連続増、17年度2.3%増、軽の売れ行き好調(朝日・9面)
●関東の電子学術誌「出版社」が中古車販売、社長名乗る男。教授名、無断掲載(毎日・26面)
●トヨタ、都内4販社統合、来年4月カーシェア参入方針(産経・10面)
●「日通が雇い止め」女性提訴要(産経・24面)
●トヨタ、次期「86」開発着手(東京・6面)
●「ETC2.0」進まぬ普及、割引制度「賢い料金」拡大するも(東京・24面)
●シリコンバレーAI巡り火花、テスラ・マスク氏開発規制訴え(日経・15面)
●「リニア着実に進める」JR東海・金子社長、用地取得に力(日経・17面)
ひとくちコメント
新年度がスタートした4月2日は、多くの企業で入社式が行われたが、新入社員を前にしてその会社の経営トップがどんなメッセージを送ったのかも興味津々である。
入社式はほとんどの会社が午前中、しかも本社のある所在地などで開くことが多く、メディアの担当記者も掛け持ちの“ハシゴ取材”は難しい。そこでありがたいのは総合力を結集して主要企業のトップの発言を集めて掲載した、きょうの各紙である。
経営トップの発言にはその年の世相を反映するほか、お家の諸事情を訴えかけるような言葉が少なくない。きょうの各紙の見出しを比べてみても、読売は「再起・変革期待の新人」とのタイトルで「製造業では昨年から品質に関わる不祥事が相次ぎ、経営トップが新入社員にルールの順守を呼びかけた」と報じている。
産経も「信頼回復トップが誓う」。日経は「人材の多様化強調」として、見出しには、無資格者による完成検査問題が発覚したスバルの吉永泰之社長の「(困難に対して)逃げずにまっすぐ取り組むことが一番大事」と訴えたことなどを掲載。スバルの吉永社長のメッセージは、東芝や神戸製鋼などとともに、読売や朝日、産経でも取り上げている。
毎日は、トヨタ自動車の豊田章男社長の「自分らしさを磨いてほしい」とのあいさつとともに、東芝の車谷暢昭会長兼CEOの「困難な時期こそ人も企業も成長する」とのメッセージを中心に伝えている。
こうした中、朝日のタイトルは「石橋をたたき壊し、新しい橋をかけろ」。このメッセージは、ホンダの八郷隆弘社長が鈴鹿サーキット内で1350人の新入社員に語り掛けたもので、「石橋をたたいて渡るのでは、これからの大転換期を生き延びられない。誰でも渡るような安全な橋を渡るのではなく、石橋を叩き壊し、新しい橋をかけろ」と強調したという。
新入社員に送る月並みの言葉には「初志貫徹」もあるが、経営トップは「言うは易く行うは難し」にならぬように肝に銘じてかじ取りをするべきだろう。