相模鉄道の新型車のインパクト…東急直通線用20000系は日立製作所 A-train の傑作

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相模鉄道20000系
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BMW『3シリーズ』E90型に似たヘッドランプ、日産『スカイライン』のような円形テールランプ、テスラのようなグリル。これが、日立製作所A-trainベースとは……。相模鉄道の相鉄・東急直通線むけ新型車両20000系を目の当たりにし、「これ ほんとにA-train?」が第一印象。

当時「次世代アルミ車両システム」という触れ込みで登場した日立A-trainは、構体新接合技術FSW(摩擦かくはん接合)を用いた高精度・高品位アルミダブルスキン構体、完全自立型モジュールインテリアぎ装、中空押出形材と一体成形されたマウンティングレールヘのモジュール締結を基本構成とするパッケージ。

徹底したモジュールぎ装で車両生産リードタイムを短縮。リニューアルや部分変更が容易といったメリットや、アルミダブルスキン構体+モジュールぎ装構造で分解しやすくリサイクル性にも優れている点が特徴。

東武50000系や東京メトロ10000系、西武30000系、阪急9300系以降などの通勤型車両をはじめ、JR東日本E257系、JR西日本683系、JR九州885系など、特急用車両などはA-trainがこのベース。

◆同じ A-train でもつくり込みでエッジを効かせた相鉄20000系

プラットフォームは同じでも、設計者やデザイナーの描く表情を具現化できるという点も A-trainの利点。相模鉄道は、相鉄・東急直通線用の新型車両を計画する段階から、利用者が「あっ、相鉄20000系だ」とひと目で分かる個性と表情を持たせることにこだわった。

デザインプランでは、当初2種類のフェイスが候補としてあがった。A案は、現状よりも低い位置にヘッドランプを置くタイプ、B案は、E233系のように前面窓上にランプを置くタイプ。

その双方のよさを融合させて、最終的にはBMW3シリーズE90型のように、目尻がシュッとつり上がったコンビネーション型ヘッドランプに決定。さらにA・B案ともになかった、テスラモデル3のようなグリルが追加された。「エアインテークやグリルのようだけど、エアなどは通らない。あくまでデザイン」と担当者。

◆東急目黒線系統とサイズ統一、相鉄らしい車内演出

相鉄20000系は、東急直通線を走れる相鉄の新製車両という位置づけ。車体幅は目黒線系統と同じ2770mmとし、既存の相鉄電車よりも小さな断面に。また相鉄がチカラを込めた前面形状は、3D切削加工、プレス加工、叩き出し加工など、 A-train で実績のある工法を駆使し、デザインプランを忠実に再現した。

いっぽう、車内も相鉄らしい演出が随所に。既存の相鉄電車に見られた車内鏡やブラインドも追加。JRの近郊型電車に見られるような、半自動ドア開閉装置を設け、車内外からボタンを押してドアを開閉できる。「半自動ドアを設けたからといって、ドア手動開閉区間を新たに設置するような計画はない。あくまで、異常時・緊急時の手段として備えた」と担当者はいう。

◆保安装置は「現状では相鉄のものだけ積んでる」

東急線内を走らせるために相鉄が新たにつくった20000系。「保安装置などは、東急、メトロ、その先の西武や東武のタイプをいずれ積んで試運転に入るの?」と担当者に聞くと、「いまこの現時点では、相鉄の保安装置のみ積んでる。いずれは東急のものも積む予定。その先の複数他社の保安装置を積むスペースは設けている」と教えてくれた。

「JR直通線用は、また別形式でつくる可能性が高い」という相模鉄道。新型20000系の資料には、下記のようなクレジットが記載されていた。この20000系の製造にかかわるメーカーが、「こんなにあるのか」と、あらためて思う。

[クレジット]日立製作所、住友ベークライト、ユニテスコ、高島、ロンシール工業、アルナ輸送機用品、共栄実業、シブタニ、アルモ、イーエーオー・ジャパン、協和興業、大日本塗料、TBカワシマ、住江織物、コイト電工、古河電池、森尾電機、音羽電気工業、日本バイリーン、日本製鋼所、ユタカ製作所、砂崎製作所、成田製作所、住江工業、住友商事、東洋電機製造、ナブテスコ、八幡電気産業、清康社(三菱電機)、千代田工販(東芝)、クノールブレムゼ鉄道システムジャパン、JR東日本テクノロジー、NTN、アサヤマ、ニシヤマ、総合車両製作所、曙ブレーキ工業、ヤシマキザイ、アドヴァン・コスモ……
《大野雅人》

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