【新聞ウォッチ】2017年の交通事故死、2年連続4000人割れの過去最少ペース

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気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。

2017年12月27日付

●交通死過去最少へ、今年1949年の3790人下回る(読売・1面)

●回顧2017年の経済、転機危機感背景に大改革、電動車に軸足、金融は人員削減(読売・9面)

●水素発電商用化、安全面など課題、基本戦略決定(読売・9面)

●松下幸之助100年の教え、哲学伝える経営塾企業の社長ら学ぶ(朝日・5面)

●失業率2.7%24年ぶり低水準、11月新規求人倍率は最高(産経・11面)

●「人手不足倒産」13年以降最多(東京・1面)

●トヨタ、燃料電池車強化、20年以降、商用車中心に車種拡大(東京・7面)

●シェア駐車場向け保険、東京海上出入庫時の事故想定(日経・7面)

●早期リコール客に8万円、日産、無資格検査で対策(日経・13面)

●トヨタ離れする部品株、EV進展でデンゾー高値(日経・18面)

●五輪輸送基地7か所に、都、晴海・高輪・西新宿など(日経・31面)

ひとくちコメント

企業の不祥事などが相次ぎ、今年も暗いニュースを伝えることが多かったが、年の瀬も押しった中で、少しは明るい話題で締めくくりたいと思いながら各紙をながめていると、きょうの読売の1面に「交通死 過去最少へ」という見出しが目にとまった。

2017年の全国の交通事故による死者数が、1949年の3790人を下回る過去最少ペースであることが、警察庁への取材でわかったそうだ。

12月25日現在の死者数は3609人で、前年の同じ時期と比べても190人も減少しているという。今年はあと6日間を残しているが、1日平均死者数は約10人ということからも、残り6日間が同じペースなら3700人を下回る計算になるというわけだ。

交通事故死が過去最少となりそうな背景には、読売によると、高止まりしていた75歳以上の高齢ドライバーの死亡事故が減少し、11月末時点で昨年同期に比べても9%も減少していることが大きいと伝えている。

また、改正道路交通法による認知症対策の強化や、運転免許証の自主返納が広まったことも減少につながっているとも指摘する。

高齢ドライバーらの交通事故といえば、ブレーキとアクセルを踏み違えるケースが多いようだが、追突防止の自動ブレーキなど、そうした車の安全機能の充実も重大事故を減らす効果が大きいとみられる。

2016年の全国の交通事故死者数は3904人。2015年の4117人から213人減り、1949年の3790人以来67年振りに4000人を切った。ちなみに、最も多かった年は、1970年の1万6765人で、ピーク時と比べると8割も大幅に減少したことになる。

もっとも、死亡事故は減少しても、高速道路の「あおり運転」や歩行者のいる横断歩道での「一時停止」を無視するようなルールを守らない悪質ドライバーを撲滅させない限り、自動車メーカー各社がスローガンに掲げる「死亡者ゼロ」の道のりはまだまだ長い。

《福田俊之》

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