概ね晴れのドライコンディションに恵まれた鈴鹿サーキット。初日はエントリー29人中22人が走行に臨み、総合のトップタイムは2回目のセッション最終盤に関口雄飛(#19 ITOCHU ENEX TEAM IMPUL/トヨタ)がマークした1分35秒717だった。
これに中嶋一貴(#37 VANTELIN TEAM TOM'S/トヨタ)が1分35秒794で続き、3番手はアンドレ・ロッテラー(#36 VANTELIN TEAM TOM'S/トヨタ)の1分36秒015。やはりという感じで今季の優勝経験者たち、上位常連の面々がトップ3を占めたわけだが、そのなかで存在感を示したのは今季の全日本F3選手権でも光る走りを見せてシリーズ3位となったスペイン出身の20歳、新顔のアレックス・パロウ(#64 TCS NAKAJIMA RACING/ホンダ)である。
今季GP3でシリーズ3位だった福住仁嶺(#15 TEAM MUGEN/ホンダ)も新顔のなかではパロウに次ぐ好印象を残した初日で、ベストタイムは1分36秒536、全体9位だった。FIA-F2で今季2勝の松下信治(#41 DOCOMO TEAM DANDELION RACING/ホンダ)は2回目のセッションでコース上に停止、赤旗中断を招くシーンがあるなどして全体14位(1分36秒968)。ただ、福住はもちろんのこと、順調さを欠いたと見られるなかで松下も36秒台に入れてきているあたり、やはり彼らもパロウ同様に高次元スピードへの適性を感じさせている。
走行セッション終了後には、この日がSF初走行だったマキシミリアン・ギュンター(#7 SUNOCO TEAM LEMANS/トヨタ)がそのインプレッションを語った。ドイツ出身の20歳、11月のF3世界一決定戦マカオGPで5位に入るなどしているギュンターは1分37秒170がこの日のベストタイムで全体15位、新顔のなかでは4番手だった。ここでいう新顔とは今季の非レギュラー組という意味で、SFでの走行が初とは限らないが、ギュンターはSFが完全に初めてなら鈴鹿も初めて、そしてソフトタイヤ未投入だったこと等を考え併せれば、侮れない実力を見せたともいえるのではないか。