【ITS世界会議2017】ホンダ、米国内でDSRCによるV2Xの大規模実証実験 2018年より開始

自動車 テクノロジー ITS
「第24回ITS世界会議」に出展したホンダ
  • 「第24回ITS世界会議」に出展したホンダ
  • クルマ同士やインフラ側とつながることでスムーズな流れを生み出すことをコンセプトとした「Safe Swarm」
  • 合流が上手でないクルマが半ば強引に本戦へ進むと後続車の渋滞が発生する
  • 合流することを本線を走行している車両に通信を介して伝える
  • 本線を走行中のクルマは同流砂のために速度を調整してスムーズな渋滞が作り出せる
  • 事故などのアクシデントが発生しても、通信でつながっていれば早い段階でその障害を避けることが出来る
  • 渋滞の列は最小限にとどめることが出来る
  • 『Smart City Challenge Columbus』では、35マイルにわたる距離でV2Xの社会実験を行う

本田技研工業(ホンダ)は、10月28日から11月2日までカナダ・モントリオール市で開催された「第24回ITS世界会議」に出展。メイン展示としたのは、自然界から着想を得た「Safe Swarm」と呼ばれる、コネクテッドカー技術によってスムーズな交通の流れを実現しようという提案だ。

このSafe Swarmでは、クルマが通信でつながっている“コネクテッドカー”である場合と、そうでない場合の違いをプロジェクション・マッピングを活用して分かりやすく示している。その発想のベースとなっているのは魚群の動きで、これを参考にしてスムーズな交通の流れを実現しようというものだ。

たとえば、車車間通信で前方の道路状況や障害物の情報を共有すれば、合流時や車線変更時のアシストが可能となって、自車だけでなく交通全体の流れが安全かつスムーズとなる。これが渋滞の発生を未然に防止できるようになるわけだ。

Honda R&D Americas社の五十嵐亮治氏はこの展示について、「クルマにオンボードのセンサーだけでなく通信し合う機能が入ってくると、見える範囲から遠く離れたところの状況が分かるようになる。しかし、こうしたことはホンダ1社だけがやっても効果はない。こうした考え方を業界全体として共有して交通環境を良くすることを目的に出展している」と説明した。

ただ、そういったコンセプトとは裏腹にグローバルではこのシステムは思うように進んでいない現実もある。日本ではトヨタが中心となって「ITSコネクト」で先行しているものの、欧米ではインフラの整備も含め、運用の目処さえ立っていない状況にあったからだ。

そうした中、五十嵐氏はホンダが『Smart City Challenge Columbus』の一環として、DSRCによるV2Xの社会実験に参画予定であることを明らかにした。これはコロンバスの市街地とホンダの工場がある郊外とを結ぶフリーウェイ(R33)35マイルの区間で準備が進められているもので、インフラの敷設は2018年には終了する予定になっている。

ホンダは敷設が完了する2018年より実験に参画していくことにしており、今後はミシガン州や米国内各地でも同様な実験が進められる計画。五十嵐氏は「インフラが普及すれば車車間よりも密度が高くなるので、自分たちの考えが正しいかどうか検証しやすくなる」と話す。これをきっかけとして欧米でのV2Xがいよいよ動き出す可能性が出てきた。

その他、会場では「信号情報活用運転支援システム」や「ホンダセンシング」についてのパネル展示も実施。ホンダが取り組むITSへの関わり合い方を紹介していた。

《会田肇》

【注目の記事】[PR]

編集部おすすめのニュース

特集