横浜ゴム、AI導入によるゴム材料開発技術を確立

自動車 ビジネス 企業動向

マテリアルズ・インフォマティクスの概念図
  • マテリアルズ・インフォマティクスの概念図
  • マテリアルズ・インフォマティクスによる情報と知識の発見手順
横浜ゴムは10月23日、マテリアルズ・インフォマティクスによるゴム材料の開発技術を確立したと発表した。

タイヤの性能には、ゴム材料となるポリマー(ゴム)とカーボンブラックやシリカなどフィラーによる複雑な微細構造が大きく影響する。横浜ゴムは2015年に多目的設計探査シミュレーション技術を開発し、微細構造を設計因子とした広大な設計空間での仮想的なゴム材料のモデル化と、弾性率やエネルギーロスなど力学特性の予測シミュレーションができるようになっていた。

マテリアルズ・インフォマティクスとはAI(機械学習)などの情報科学を投入して未知の材料の機能を推定し、新材料や代替材料を効率的に探索する手法。これまでの材料探索は研究者の経験と直感に基づいて行われていたが、それを遥かに凌ぐ速度で合理的に求める特性を持つ材料を発見できる。

新技術ではAIを使用して、設計因子と特性値のデータといった膨大なシミュレーション結果を探索。求める性能を実現するために重要となる微細構造の設計因子とその閾値を客観的かつ定量的に短時間で導き出すことを可能とした。また、実際のゴム材料の設計・加工パラメータや分析・計測で得られた結果を利用することで、材料探索の精度を向上し、試作工数を削減できる。さらに今回、新たな粗視化分子動力学シミュレーションを導入することで、設計因子が力学特性に影響するメカニズムも解析可能となり、今後、新たな開発アプローチの発想を得ることも期待できる。

同社では新技術を活用して、転がり抵抗が低く、摩耗しにくいという相反するゴム性能を目標とし検証したところ、フィラーの半径はある閾値より小さく、かつその界面に形成されるバウンドラバー層はある閾値より薄い方が好ましいことを確認。また、粗視化分子動力学シミュレーションの結果、フィラーの半径が小さいと高弾性になり、バウンドラバーが薄いとエネルギーロスが小さくなるメカニズムも見出すことができた。
《纐纈敏也@DAYS》

編集部おすすめのニュース

特集