車載向け半導体大手のNXPは10月16日、コネクテッド・カー、電気自動車、自動運転車向けの制御/コンピューティング・コンセプト、『S32』プロセッシング・プラットフォームを発表した。
このプラットフォームは、統一されたアーキテクチャーのマイクロコントローラ/マイクロプロセッサ(MCU/MPU)製品群と、多様なアプリケーション・プラットフォームに対応可能な単一のソフトウェア環境からなる。自動運転機能の開発期間短縮を狙ったもので、すでに自動車メーカー8社に採用が決まっている。
NXP副社長 兼 オートモーティブ・マイクロコントローラ&プロセッサ・ビジネスライン マーケティング&ディストリビューション (代理店統括) 担当のロス・マコーエット氏が登壇し、S32プラットフォームをアピールした。
「自動車はいまや、もっとも複雑なソフトウェアコードを持っている。あのボーイング787ドリームライナーよりも自動車のほうがコード行数が多い。この傾向は、メガトレンドの変化もあり加速している。いっぽうで、自動車産業の課題はサプライヤーが多いため、インテグレーションが課題になっている」
「複数のサプライヤーが提供するデバイスが車の上でスムーズに動く必要がある。そのため、従来の機能分散型アーキテクチャから、次世代のドメイン集約型のアーキテクチャに移行する動きがある。こういった課題を解決するための新しいテクノロジープラットフォームが、S32プラットフォームだ。従来の10倍の性能を持ち、自動車メーカーの開発負担を軽減する。また、セキュリティの高いOTA(Over The Air update)機能を提供するものだ」
現在、自動車メーカー各社は開発ツールをテストしており、これに関して、Tier1などのNXPのパートナー企業から発表がなされる見通しだ。